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手拭
「手拭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手拭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
呂の中で歌祭文《うたざいもん》を唄《うた》っている嚊《かかあ》たばね、上がり場で
手拭《てぬぐい》をしぼっているちょん髷本多《まげほんだ》、文身《ほりもの》の背中....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
り》を立てたりしている。中にいる人間は、皆酔っているらしい。幕の間から、お揃いの
手拭を、吉原《よしわら》かぶりにしたり、米屋かぶりにしたりした人たちが「一本、二....
「少年」より 著者:芥川竜之介
見たぎり、「うん」と素直《すなお》に返事をした。
父は体を拭いてしまうと、濡れ
手拭を肩にかけながら、「どっこいしょ」と太い腰を起した。保吉はそれでも頓着せずに....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
少はしたのだった。
二
……一時間ばかりたった後《のち》、
手拭《てぬぐい》を頭に巻きつけた僕等は海水帽に貸下駄《かしげた》を突っかけ、半町....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
りも、まだ濡れているのかと思うほど、艶々と櫛目《くしめ》を見せています。それが濡
手拭と石鹸の箱とをそっと胸へ抱くようにして、何が怖いのか、往来の右左へ心配そうな....
「百合」より 著者:芥川竜之介
そうきち》と云う学校友だちの母親だった。彼女は桑を摘《つ》みに来たのか、寝間着に
手拭《てぬぐい》をかぶったなり、大きい笊《ざる》を抱えていた。そうして何か迂散《....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
坊の腹を撫で廻わすと、笠井はまた古鞄の中から紙包を出して押いただいた。そして口に
手拭《てぬぐい》を喰わえてそれを開くと、一寸四方ほどな何か字の書いてある紙片を摘....
「星座」より 著者:有島武郎
カルに涙|脆《もろ》い渡井《わたらい》という十六になる女の生徒が、穢《きた》ない
手拭を眼にあてあて聞いていたが、突然教室じゅうに聞こえわたるような啜泣《すすりな....
「親子」より 著者:有島武郎
車場には農場の監督と、五、六人の年嵩な小作人とが出迎えていた。彼らはいずれも、古
手拭と煙草道具と背負い繩とを腰にぶら下げていた。短い日が存分西に廻って、彼の周囲....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
歩行く姿が、柳町、 と博多節を流している。……つい目の前の軒陰に。……白地の
手拭、頬被、すらりと痩ぎすな男の姿の、軒のその、うどんと紅で書いた看板の前に、横....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
婦人が後れました。もう一人の方は、山茶花と小菊の花の飛模様のコオトを着て、白地の
手拭を吹流しの……妙な拵だと思えば……道理こそ、降りかゝる雪を厭ったも。お前さん....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
お易い事。まあ、ごじょうだんをおっしゃって、そんなお人がらな半※を。……唯今、お
手拭。」 茶の室へ入るうしろから、 「綿屑で結構よ。」
手拭をさえ惜しんだの....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
っていた。足は例の通り八本プラリブラリとぶら下っていて、頭には家に依って豆絞りの
手拭で鉢巻をさせてあるのもあり、剣烏帽子を被っているものもあったりした。 この....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
蟇口を突込んだ、布袋腹に、褌のあからさまな前はだけで、土地で売る雪を切った氷を、
手拭にくるんで南瓜かぶりに、頤を締めて、やっぱり洋傘、この大爺が殿で。 「あらッ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
に転がりたり。 得三|後居にどうと坐し、「やい、この態はどうしたのだ。と口なる
手拭|退けてやれば、お録はごほんと咳き入りて、「はい、難有うございます。「ええど....