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手指
「手指〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手指の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
残れり」と自分は文政年間にできた地図で見たことがある。そしてその地図に入間郡「小
手指原《こてさしはら》久米川は古戦場なり太平記元弘三年五月十一日源平小
手指原にて....
「船医の立場」より 著者:菊池寛
眠れなかったが、今朝見ると、白く膿を湛えているのが、いくつもできている。それが、
手指ばかりでなく、腹部にも腰の回りにも、腿《もも》にも、数は少ないが広がっている....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ズボン下に足袋《たび》裸足《はだし》麦藁帽《むぎわらぼう》という出で立ち、民子は
手指《てさし》を佩《は》いて股引《ももひき》も佩いてゆけと母が云うと、
手指ばかり....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
…一体腹を壊すなんて、日頃の緊張が足りないからだ、よし今度から道場へ出たまえ、一
手指南をしてやる」といって、持っていた筆の軸でやっとうの真似をしてみせた。続いて....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
加物として取り扱われているように見える場合が多い。師宣や祐信などの絵に往々故意に
手指を隠しているような構図のあるのを私は全く偶然とは思わない。清長などもこの点に....
「破片」より 著者:寺田寅彦
とそれを統率する内閣とが一つの有機体である以上可能なことである。 いつか自分の
手指の爪の発育が目立って悪くなり不整になって、たとえば左の無名指の爪が矢筈形に延....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
ち 泣いても涙のでどころのない わめいても言葉になる唇のない もがこうにもつかむ
手指の皮膚のない あなたたち 血とあぶら汗と淋巴液とにまみれた四肢をばたつかせ ....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
かったのである。自分はもう今日のかれ、七年前のかれでないことを悟った。『これは右
手指といって、こういう具合にさすので、』かれは短刀を拾って後ろざまに帯にさした。....
「初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
ら、その鉛筆の不規則な顫動によって彼の代表している犯人の内心の動乱の表識たるべき
手指のわななきを見せるというような細かい技巧が要求される。「その男になにか見覚え....
「囚われ」より 著者:豊島与志雄
傾げて、左手の指先で軽くそれを支えるようにするのは彼女のいつもの癖であった。その
手指と頸の肉との接触にある感覚が漂っていた。 それをじっと見ている恒雄の眼を見....
「叔父」より 著者:豊島与志雄
俗さとでもいうような醜さだった。それから、身体の割合に手首から先が妙に大きくて、
手指も長すぎるようだった。いや手全体が長すぎるようでもあった。その手を彼は時々頭....
「常識」より 著者:豊島与志雄
とのあたりに漂ってる異国人めいた風貌、断片的に無連絡的に理智めいた唇、反りのいい
手指、毛皮の襟巻、特別あつらえの踵のひきしまった白足袋、または、大戸がしめきって....
「怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
とがなかった。そのくせ、昼間でも、物を考えてるうちに、うとうとすることがあった。
手指や足指の先に、軽い麻痺を感じた。脈搏が、時に速くなり、時に緩くなった。顱頂部....
「塩花」より 著者:豊島与志雄
ら、その二つがまた、彼と彼の恋人たる彼女とを隔てるものでもあったのである。美しい
手指と、顔の表情の特殊な美しさとを、彼女は持っていた。 彼が吉村氏を久しぶりに....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
見える。頬の蒼白さは腺病質らしいが、高く張ってる額は知性と意志力とを示すようだ。
手指や握り拳が、体のわりに目立って大きい。 「ねえ、先生、今年は展覧会に何も出品....