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手掛り
「手掛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手掛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の家を尋ねて聞いて来ました、けれど貴方自身が壁から剣が出た様だと云うのでは少しの
手掛りも有りませんねエ、シテ見ると矢張り
手掛りの有る方から詮議せねば」余「
手掛り....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たかも通りかかった者がふとした出来心で奪いとって行ったとすると、差し当りなんにも
手掛りがない。半七もこれには少し行き悩んでいると、ここに又一つ事件が起った。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おや》ともにもう死に絶えてしまいまして、これも跡方はございませんよ」 すべての
手掛りが断えてしまったので、半七は失望させられた。それでも彼は強情にこの按摩から....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。かれは木綿の財布に小銭《こぜに》を少しばかり入れているだけで、ほかにはなんにも
手掛りになりそうなものを持っていなかったが、半七はその右の手のひらの鼓胝《つづみ....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
殺害後|突墜されたものに違いないと言う事――私のこの考え方を裏書してくれる確実な
手掛りを御覧下さい」 司法主任はそう言って、軌条と屍体との中間に当る路面に、懐....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
なくH駅へ帰り着いた二人は、機関庫の事務室を根拠地にして、あの冒険で獲得した妙な
手掛りに対する研究を始めたんです。 最初の日は、助役は一日中落着いて室内で例の....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
私は直ちにその跡を尾行しはじめた。 ところが、歩きはじめて間もなく、私は有力な
手掛りを発見した。というのは、そのスキーの跡は、平地滑走でありながら、両杖を突い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
けっしてそうじゃないんだ。まして、全体がすこぶる多元的に構成されている――。何も
手掛りはない。曖昧朦朧とした中に薄気味悪い謎がウジャウジャと充満している。それに....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
深く潜るところであった。そこでこんどはズッと上の方を偃松や岩角を掘り出し、これを
手掛りとして通った。この辺から見た赤岳はとても雄大である。鞍部にある赤岳の小屋は....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
る途中事故ありて暫し其塀に立掛し者なる可し 殺せしは何者か殺されしは何者か更に
手掛り無しとは云え七月の炎天、腐敗り易き盛りと云い殊に我国には仏国|巴里府ルー、....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
て見し彼のコロップの栓を拾い上げたり、要も無き唯一個の空瓶の口なれば是が爾までの
手掛りに為ろうとは思わねど少しの
手掛りをも見落さじとの熱心より之も念の為にとて拾....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
せられる。私にはそのようにはなれない。その人の歩みは私の手引きになるにはあまりに
手掛りがない。しかし私はその人の生活をアドマイアする。聖フランシスの生涯とトルス....
「小公女」より 著者:菊池寛
ですよ。」カアマイクル夫人は、いって聞かせました。「それに、いつもいつも間違った
手掛りに迷わされていらしったんですの。でも、あの方は到る所、あなたを探し廻ってら....
「中毒」より 著者:織田作之助
う。引用するのは後世の勝手だが、しかし、スタンダールを語るのに非常に便利な言葉、
手掛りになるような言葉として引用されるようなものを、下手に残して置かない方が、ス....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
には可なり縁遠いものであったろうと思う。若き白隠=慧鶴がこの聖典に対して、全くの
手掛りなく、仏教全般に対しての信憑さえ失ったのは無理もないことである。 そんな....