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手掴み
「手掴み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手掴みの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
愉快な合宿気分を味うことができた。 案内はいろいろと面白い話をしてくれた。兎を
手掴みにする話や、つかまえるとニャンニャンと泣くとか、あれでもなかなかかしこく自....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
送って、扉の閉まるのを見届けた正木博士はイキナリ前屈みになってカステーラの一片を
手掴みにすると、たった一口に頬張り込んで熱い茶をグイグイと呑んだ。そうして私にも....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
身構えるという、講道館五段以上の達人だから容易な事では手に合わない。もっとも蝮を
手掴みにする商売人も居るんだから練習すると相当に掴めるんだが、持って帰るのが面倒....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
マしい志を立てた形跡はミジンもない。持って生れた平々凡々式で、万事ありのまんまの
手掴みで片付けて来ている。そこが頭山翁の古来ありふれた人傑と違っている点で、その....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
児の手前もあって、これ見よがしに腕を扼って――己が一番見届ける、得物なんぞ、何、
手掴みだ、と大手を振って出懸けたのが、山路へかかって、八ツさがりに、私ども御堂へ....
「怪しき旅僧」より 著者:田中貢太郎
みどろになった足を平気で投げだして火をみていたが、やがて飯ができると鍋をおろして
手掴みで喫いはじめた。 飯がなくなると、旅僧は手桶の杓をとって一口水を飲んだが....
「山上湖」より 著者:豊島与志雄
て落し、手網で魚をすくい取り、池に浸してある竹籠に入れる。籠の中の魚は、一匹一匹
手掴みにして、腹中の卵が検診される。雌鱒の池のことだ。卵が成熟しておれば、ちょっ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、そのあとを見送るとそそくさと錦明宝を棚からおろし、息をはずませながら万年青を諸
手掴みにする。 出て行ったと思った顎十郎は、すぐ戻って来て、棚のほうを指《さ》....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
平原に向って降り付けると、大いに怒って修験者それ自身が狂気のごとく用意の防霰弾を
手掴みに取って虚空に打ち付け投げ付けて霰と戦うです。
それでもいかないと今度は....