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「手料理〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手料理の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
には今はおわかりにならないかもしれませんけれども……それにしてももう五時。愛子に手料理を作らせておきましたから久しぶりで妹たちにも会ってやってくださいまし、ね、....
高野聖」より 著者:泉鏡花
と干瓢《かんぴょう》どころではござらぬ。 品物は侘《わび》しいが、なかなかのお手料理、餓《う》えてはいるし、冥加至極《みょうがしごく》なお給仕、盆を膝に構えて....
振動魔」より 著者:海野十三
との出来るのは何となく気強いことだったし、食事についても、何くれとなく情の籠った手料理などをすすめることが出来ることを考えて、大変嬉しく思ったほどだった。 し....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
処で、君から訊かして貰いたいことがある。君に返事ができるかね。 先刻、君は私の手料理になる栄螺を、鱈腹喰べてくれたね。ことに君は、×××××、箸の尖端に摘みあ....
食魔」より 著者:岡本かの子
反撃を密謀した。まだ五六日この古都に滞在して春のゆく方を見巡って帰るという夫妻を手料理の昼食に招いた。自分の作品を無雑作に味と片付けてしまうこの夫人が、一体、ど....
河明り」より 著者:岡本かの子
なせないところがあって、鄙俗の調子を帯びていた。 袴をつけた老主人が現れて 「手料理で、何か工夫したものを差上ぐべきですが、何しろ、手前の体がこのようでは、ろ....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
叉ヶ池を見に行く気じゃ。種々不思議な話を聞いたら、なお一層見たくなった。御飯はお手料理で御馳走になろうが、お杯には及ばん、第一、知ってる通り、一滴も飲めやせん。....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
くに思いついたのは、留守の間を働いてくれた人達の慰労会をすることでした。彼は私の手料理を望みましたので、その日取りの前日に、私はOと一緒にその材料の買い出しに出....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
籠で、畳むと入子に重るやつでね。案ずるまでもありませんや、お道姉さんが心入れのお手料理か何かを、旅館から運ぶんだね。 (うまい、ああ旨い、この竹輪は骨がなくて難....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
小間使と女中と、三人が附いて来たが、煮炊が間に合うようになると、一度、新世帯のお手料理を御馳走になった切り、その二人は帰った、年上の女中だけ残って。それも戦時の....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
とした自由の世界の空気を呼吸する。その一部分を譬えていえば、ひとりよがりの自慢の手料理が、それどころでなく、立派な饗宴の膳部の向附にもふさわしい滋味を備えたもの....
光は影を」より 著者:岸田国士
りかゝつていた。母は癇性といえるほどの綺麗好きで、また、料理の天才であつた。母の手料理は、なんでもうまかつた。膳が淋しい時でも、実に巧妙な味と色彩のとり合せで、....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
許し、西洋料理の侵略にまかせて、余すところの日本料理というものは、縄のれん式の下手料理と、最高材料を用いる貴人料理のわずかになごりを存するものと、一部の家庭料理....
料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
うだ。 食物と言えば、女の仕事と決めてかかり、その無知に後悔しながらも、女房の手料理にあきらめてみたり、愚にもつかぬ小料理に舌鼓を打ち、憚りもなく食物談に興じ....
料理も創作である」より 著者:北大路魯山人
する人の舌次第なのである。 あそこの料理屋の料理よりも、ここのうちの奥さんのお手料理の方がはるかに美味である、と言うようなことも時に聞く話である。この場合、こ....