手水場[語句情報] »
手水場
「手水場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手水場の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中」より 著者:森鴎外
はしまいと思うわ。なんでも障子の紙かなんかの破れた処から吹き込むようだねえ。あの
手水場《ちょうずば》の高い処にある小窓の障子かも知れないわ。表の
手水場のは硝子《....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
一つ庭のようだが」 と折戸を開けて、 祖「彼の家に隠れて居りはしないか」 と
手水場の上草履を履いて庭へ下り、開戸を開け、折戸の許へ佇んで様子を見ますと、本を....
「蒲団」より 著者:田山花袋
中に入ろうとした。細君は慌てて、 「貴郎、貴郎、酔っぱらってはいやですよ。そこは
手水場ですよ」 突如蒲団を後から引いたので、蒲団は厠の入口で細君の手に残った。....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、もう遅かったのかも知れない――
「どなた? そこなお方、どなた!」
離れの、
手水場《ちょうずば》の、小窓から、白い顔がのぞいて、そうしたやさしい声が掛ったの....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
たが、暖かいから脱ぎまして、包へ入れて喘々して、 女「少しお頼みでございますがお
手水場を拝借致しとうございます」 照「はい其処は汚のうございますが、何ならお上り....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の装いでした。 お手水《ちょうず》に行くつもりだろうが、途中で戸惑いをして、お
手水場とは全く違った方向の廊下を忍びやかに歩いて行くのは、おかしいことです。寝ぼ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
持で舟を漕いでいらっしゃる」
「うむ、そうだったか」
「ですけれども、あなた、お
手水場が、外のあんな遠いところにあるでしょう」
「うむ」
「わたし、一人で行けや....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
下さること――観念もして、そこはかと身なりをキリリとしたが、さて出かける前に、お
手水場《ちょうずば》へ入って落着いてという気分になりました。 お角さんがお手水....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
金側時計を拾うような事があり、又間が悪いと途中で手水が出たくなって、あゝ何所かに
手水場があれば好いと思うと、幸い三疋立ちの雪隠があるから入ろうとすると、皆な咳払....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いて往くと、菓子屋だの蕎麦屋だの種々なものがあるから、其の間を這入って、突当りが
手水場だから、其の傍の井戸へ附いて左へ曲って、右へ往って変な処をクル/\廻った角....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
でありました。便所という名が不潔だから、改めたのだとの事であります。便所と云い、
手水場と云い、雪隠と云い、はばかりと云う名には、少しも不潔な意味はありません。も....