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手洗い
「手洗い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手洗いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
腸をした。今度は粘液もずっと減《へ》っていた。「ああ、今晩は少のうございますね」
手洗いの湯をすすめに来た母はほとんど手柄顔《てがらがお》にこう云った。自分も安心....
「禁酒の心」より 著者:太宰治
ねえ、少し水をやったほうがいい。」とおやじに聞えよがしに呟《つぶや》いて、自分で
手洗いの水を両手で掬《すく》って来て、シャッシャと鉢にかける。身振りばかり大変で....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
おまえさんは誰を媒妁人に頼んで、いつの幾日に家のお金を女房に貰ったんだ。神明様の
手洗い水で顔でも洗っておいでよ。ほんとうに馬鹿々々しい。」 おふくろは畳みかけ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
及ばん、お粂の箪笥、長持、針箱の類はこちらで取りそろえて置くと言ってよこしたさ。
手洗い桶、足洗い桶なぞもね。ごらんな、なんとかこちらからも言ってやらなけりゃ悪い....
「斜陽」より 著者:太宰治
事にも、気づかないほどの私はあの所謂「おひめさま」だったのだろうか。 夜中にお
手洗いに起きて、お玄関の衝立の傍まで行くと、お風呂場のほうが明るい。何気なく覗い....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
困る場合もずいぶんありうる。どこまでも忠実に付従して来るはいいとしても、まさかに
手洗い所までものそのそついて来られては迷惑を感じるに相違ない。 ニュートンの光....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
の部屋ばかりにいたわけじゃないんで、土居嬢を送るために玄関へも行ったでしょうし、
手洗いへも行ったでしょう。また寝室や廊下や階上などへも行ったかもしれない。そうい....
「入梅」より 著者:久坂葉子
放っておいていた。 がある寒い晩、私が図案かきに夢中になって十一時をすぎた頃、
手洗いに行った帰りにふと台所横をみるとそこには作衛の寐床がとってあったが作衛はい....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
フラフラする。腹がへったのだ。家へ戻り、一升飯をたいて一息にたいらげる。それから
手洗いに立ったりして夜の明けぬうちにまた穴へ戻ってくる。穴の方が住み心地がよいか....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
、警察の活動となったのである。 アトリエは二間半に三間の洋室が一間だけ。ほかに
手洗い場と便所が附いているだけだ。ベッドと、洋服ダンスと、机と、テーブルに椅子が....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
しまった。昼めしには、お握りを二つくれただけであった。 格子窓の向うに、便所の
手洗いの窓が見えた。ときどき、子分がその窓から、こッちをのぞいた。それを見ると、....
「桜の園」より 著者:神西清
ことのように覚えているが、まだ若くって、こう細っそりした人だったがね、そのおれを
手洗いのところへ連れて行ってくれた。それが、ちょうどこの部屋――この子供部屋だっ....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
と取り上げたが、ドクドクと水を注ぎ込んだ。 「嘘も仕掛けもねえ真清水だ。観音様の
手洗い水よ。さてこの中へ砂糖を入れる」 懐中から紙包みを取り出した。 「さあ誰....
「迷信解」より 著者:井上円了
くり、頭痛の願掛けをなさば、その験あること神のごとしといい、夜中盗難を防ぐには、
手洗い鉢を家の中にふせて置けばよしといい、猫の逃げたるときに、暦を取りてその逃げ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
相応にあったから、必ず先ず御手洗で手を清めてから参詣するのが作法であった。随って
手洗い所が一番群集するので、喜兵衛は思附いて浅草の観音を初め深川の不動や神田の明....