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手筆
「手筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
のはもちろんである。 わが手の利《き》かぬ先にわが失えるものはすでに多い。わが
手筆を持つの力を得てより逸《いっ》するものまた少からずと云っても嘘《うそ》にはな....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
蘭国挙げて許した支那学の大親方グスタウ・シュレッケルと学論して黄色な水を吐かせ、
手筆の屈伏状を取って今に日本の誇りと保存し居るほど故、ミュラーの幽霊ぐらい馬糞と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
面と参照して、多少の書入れをする。 そのうちに、絵図面の終りの方を見ると、同じ
手筆《しゅひつ》で、 「清澄村 茂太郎所持」 と書いてある。 「おやおや、こ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ネ返ってその卒都婆を拾い上げました。 見事な筆蹟である上に、これはまさしく女の
手筆《しゅひつ》だと見ないわけにはゆきません。しかも、その女の
手筆というものが、....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
かれないので、単にこの点だけでも『八犬伝』を古往今来の大作として馬琴の雄偉なる大
手筆を推讃せざるを得ない。 殊に失明後の労作に到っては尋常芸術的精苦以外にいか....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
使屋が届けてきた女文字の手紙を、宅助の鼻の先へ見せた。 「おや」 見ればお米の
手筆である。 封へにじんだ口紅も憎らしいが、あの女が、宅助さまへ――とはどうい....