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手筈
「手筈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手筈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
かった。かねてここと見定めて置いた高架鉄道の線路に添うた高地に向って牛を引き出す
手筈である。水深はなお腰に達しないくらいであるから、あえて困難というほどではない....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
かったので僧正自らクララの所に花を持って来たのだった。クララが今夜出家するという
手筈をフランシスから知らされていた僧正は、クララによそながら告別を与えるためにこ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ようと運動しているらしく、先刻もまた青木の言いなり放題になって、その代りに何かの
手筈を定めて来たものと見えた。おッ母さんから一筆青木に当てた依頼状さえあれば、あ....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
「中へ踏み込む人員は、おれと碇と、それから豹太、沙朗、八万の五名だ。あとの者は、
手筈に従って外に散らばって油断なく見張っていろ」 中へ踏みこむことを指名された....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
暁、このハンバー河口の機雷原と高射砲弾幕とを突破して、この地に上陸作戦を敢行する
手筈だった――仏天青も、ようやくそれを悟った。 この赤外線標識灯が点火したのが....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
にうつる望月大尉の急信号により、望月艇が、異変にぶつかったことを知った。かねての
手筈により、山岸中尉は、目にもとまらぬ速さで切替桿をひき、二号艇の尾部へむかって....
「怪塔王」より 著者:海野十三
だ。お前こそ命があぶないのだぞ」 「えっ――それは本当か」 「本当だとも。そんな
手筈がついていなければ、僕たちのような弱い二人で、なぜこんなあぶない塔の中へはい....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
その人たちに留めさせる事の出来ない事は、解って、あきらめなければならないまでも、
手筈を違えるなり、故障を入れるなり、せめて時間でも遅れさして、鷭が明らかに夢から....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
るつもりなのでしょうといった。校長は即座に『東京へ来たらいっさいかまわないことに
手筈をきめようじゃあありませんか』といかにも校長らしい口吻を洩らした。S先生は『....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
帰った処じゃな。」 「御意にござります、へい。」 「何か、直ぐに連れてここへ来る
手筈じゃった、猿は、留木から落ちて縁の下へ半分|身体を突込んで、斃死ていたげに云....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
大変でございますから……。』 『イヤイヤ一|度は逢わせることに、先方の指導霊とも
手筈をきめて置いてある。良人と逢った位のことで、すぐ後戻りするような修行なら、ま....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
介させ、そして満州における大農場建設の資金の一助として絵を幾枚か書かせようという
手筈まできめてしまったのであった。 「じゃ、どうぞよろしく。」 「承知しました。....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
車を手舁で床の正面へ据えて、すぐに荷拵えをして、その宰領をしながら、東京へ帰ろう
手筈だったそうですわ。……仕上りと、その出発祝を兼ねた御馳走の席なのよ。 末座....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
フ氏は、晩くも本日午前十時までに、槍下で、昨日温泉から直接槍に向うた友人と出逢う
手筈だ、というていたが、今後なお五時間もかからねば、目的地に達する事が出来ぬのに....
「活人形」より 著者:泉鏡花
得衛の知らせに女房は、「こちらへ。と先に立ち、奥の空室へ銀平を導き行きぬ。道々|
手筈を定めけむ、八蔵は銀平と知らざる人のごとくに見せ、その身は上口に腰打懸け、四....