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「手答え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手答えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
、それでもう万事が終わってしまう。突き通した太刀《たち》のきっさきが、畳へはいる手答えと、その太刀の柄《つか》へ感じて来る、断末魔の身もだえと、そうして、また、....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
》な奴《やつ》」と呼ばれることには常に多少の愉快を感じた。が、如何なる嘲笑も更に手答えを与えないことには彼自身憤らずにはいられなかった。現にこう言う君子の一人―....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
無暗に軍刀をふりまわしていた。一度その軍刀が赤くなった事もあるように思うがどうも手答えはしなかったらしい。その中に、ふりまわしている軍刀の※《つか》が、だんだん....
或る女」より 著者:有島武郎
を拾い上げた。それを拾い上げるとま二つに引き裂いてまた床になげた。それはあまりに手答えなく裂けてしまった。葉子はまた何かもっとうんと手答えのあるものを尋ねるよう....
或る女」より 著者:有島武郎
時にはわたしもなおって帰るだろうから……愛さん」 いつものとおりはきはきとした手答えがないので、もうぎりぎりして来た葉子は剣《けん》を持った声で、「愛さん」と....
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
ず長い竿を持っている。そして、その竿をうめき声を目当てに突き出すのである。多くは手答えがある。もし、ない場合には、水音とうめき声を追いかけながら、幾度も幾度も突....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
た。その夜九つに近き頃、了海が力を籠めて振り下した槌が、朽木を打つがごとくなんの手答えもなく力余って、槌を持った右の掌が岩に当ったので、彼は「あっ」と、思わず声....
俊寛」より 著者:菊池寛
てやろうと思う。が、昨夜の間に、鰤はこの海岸を離れたとみえ、いくら針を投げても、手答えがない。 彼はいらいらして、幾度も幾度も針を投げ直す。が、幾度投げ直して....
海異記」より 著者:泉鏡花
へ橋にかかって、雨で辷るというもんだ。 どッこいな、と腰を極めたが、ずッしりと手答えして、槻の大木根こそぎにしたほどな大い艪の奴、のッしりと掻いただがね。雨が....
銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
ありますね。びっくりして手探りで探してみると、チャーンとその何にも見えないとこで手答えがあったりして……ええ、あれと同じですよ。ところが、今度はその赤いガラスの....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ン打ち合った剣術は、実戦の用には立ちそうもないなあ。……人間一人サ――ッと切る!手答えあって血の匂い! ヒーッという悲鳴、のた打つ音! ……悪くないなあ悪くない....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
を揮ってみたいのです。……ですから何うぞ是非従軍を。……それに今度の相手は、随分手答えのある連中だと思いますので。……それに新選組の人数は尠し……そうです、先生....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
両眼|瞑ると感覚だ。柄を双手に握りしめ「ウン」とばかりに突き出した。 だが何の手答えもない。ギョッとして眼を開いた眼の前に、十数本の松火が、一列にタラタラと並....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
係では互に満足出来るはずがないから、あたかも利刃を揮って泥土を斬るに等しい何らの手答えのない葛藤を何年か続けた後に、二葉亭は終に力負け根負けがして草臥れてしまっ....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
殺気を帯びて来た。 「譲治は短刀を振り廻わして、無茶苦茶に暴れ廻ったが、さっぱり手答えがない、血迷っているので、柱に打つかったり、襖を突破ったりしているうちに突....