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手綱
「手綱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手綱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
りげ》の裸馬にまたがって、血にまみれた太刀《たち》を、口にくわえながら、両の手に
手綱《たづな》をとって、あらしのように通りすぎた。馬は言うまでもなく、沙金《しゃ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
(一)
長い影を地にひいて、痩馬《やせうま》の
手綱《たづな》を取りながら、彼《か》れは黙りこくって歩いた。大きな汚い風呂敷包と....
「星座」より 著者:有島武郎
ら何台も何台もおせいのそばを通りぬけた。顔をすっかり頭巾《ずきん》で包んで、長い
手綱で遠くの方から橇を操《あやつ》っている馬方は、寄り道をするようにしておせいを....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
、革紐《かわひも》を附《つ》けたる竹根の鞭《むち》を執《と》りて、徐《しず》かに
手綱を捌《さば》きつつ身構うるとき、一|輛《りょう》の人力車ありて南より来たり、....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
。
親仁《おやじ》は差心得《さしこころえ》たものと見える、この機《きっ》かけに
手綱《たづな》を引いたから、馬はすたすたと健脚《けんきゃく》を山路《やまじ》に上....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
さて晴れれば晴れるものかな。磨出《みがきだ》した良《い》い月夜に、駒《こま》の
手綱を切放《きりはな》されたように飛出《とびだ》して行った時は、もうデロレンの高....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
に水晶の数珠をかけ、襟に両袖を占めて、波の上に、雪のごとき竜馬に乗せらる。およそ
手綱の丈を隔てて、一人|下髪の女房。旅扮装。素足、小袿に褄端折りて、片手に市女笠....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
こから散ったか、百日紅の二三点。 ……覗くと、静まり返った正面の階の傍に、紅の
手綱、朱の鞍置いた、つくりものの白の神馬が寂寞として一頭立つ。横に公園へ上る坂は....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
えるがごとき頬のあたりを、さらさらと払った葉柳の枝を、一掴み馬上に掻遣り、片手に
手綱を控えながら、一蹄三歩、懸茶屋の前に来ると、件の異彩ある目に逸疾く島野を見着....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
てくれたものでございます。そうそう私が現世の見納めに若月を庭前へ曳かせた時、その
手綱を執っていたのも、矢張りこの老人なのでございました。 だんだんきいて見ると....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
の光の中に、老人のかぶった紗の帽子や、土耳古の女の金の耳環や、白馬に飾った色糸の
手綱が、絶えず流れて行く容子は、まるで画のような美しさです。 しかし杜子春は相....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
てせよ」と止められ、志を屈して一年程は独学したれど、はしる馬の如き出京の志し弱き
手綱に繋ぐべきにあらず。十七の春なりし。心を決して父と伯父に乞いもし許されずは出....
「多神教」より 著者:泉鏡花
大根、牛蒡、太人参、大蕪。棒鱈乾鮭堆く、片荷に酒樽を積みたる蘆毛の駒の、紫なる古
手綱を曳いて出づ)きゃッ、きゃッ、きゃッ、おきゃッ、きゃア――まさるめでとうのう....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
な、ふちのない丸い帽子をかぶり、手入れも調教も碌にしてない暴れ小馬にまたがって、
手綱もつけず、一本の綱であやつっていた。彼は学校の入口まで駈けこみ、イカバッドに....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
迷った難儀に懲りて、宿から、すぐ馬を雇って出ると、曳出した時は、五十四五の親仁が
手綱を取って、十二三の小僧が鞍傍についていた。寂しい道だし、一人でも連は難有いと....