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「手繰り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手繰りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
い上げた。はてな? と思って引っ張って見ると、ずるずると出てくる。いい気になって手繰りよせる。なかなか長い。やがてその先端がきたかと思うと、妙なことに、そこには....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
ためにフニャフニャと降りて来そうなのを発見して非常に驚き、急いで力任せにロープを手繰りバルーンを降し始めました。浮力が減少したとは言え、瓦斯が充満してさえいれば....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
っているのは先ずこのくらいのことに過ぎなかった。 こんなことをそれからそれへと手繰り出して考えながら、わたしはいつの間にか流し場へ出て、半分は浮わの空で顔や手....
紅玉」より 著者:泉鏡花
)畜生、状を見やがれ。 声に驚き、且つ活ける玩具の、手許に近づきたるを見て、糸を手繰りたる小児、衝と開いて素知らぬ顔す。 画工、その事には心付かず、立停まりて嬉....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
さんがその鍵を握って寝たんだっていうんですもの。」 「ははあ、重役の忰に奉って、手繰りつく出世の蔓、お大事なもんですからな。……会社でも鍵を預る男だろう。あの娘....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
野声を放って、 「お誓さん、お誓さん。姉さん、姐ご、大姐ご。」 立てごかしに、手繰りよせると、酔った赤づらの目が、とろんこで、 「お酌を頼む。是非一つ。」 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
繰れば、扱けば、するすると伸び、伸びつつ、長く美しく、黒く艶やかに、芬と薫って、手繰り集めた杯の裡が、光るばかりに漆を刷く。と見ると、毛先がおのずから動いて、杯....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
かりそめの事で結ばれる筈はないと存じますが……。』 『さァ……何所から話の糸口を手繰り出してよいやら……。』 姫はしばらくさし俯いて考え込んで居られましたが、....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
れがお邸づら……」 嚔の出損った顔をしたが、半間に手を留めて、腸のごとく手拭を手繰り出して、蝦蟇口の紐に搦むので、よじって俯むけに額を拭いた。 意味は推する....
初雪」より 著者:秋田滋
ばしい花園のかおりを胸一ぱい吸い込むのだった。 そうして彼女はその思い出の糸を手繰りながら、じッと物思いに耽るのだった――。 * * ....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
の渡しというのは、別に渡し守がいるのではなく、船だけ備えて有るばかりで、世に云う手繰り渡しに成っているのだ。それは両岸に高く材木を三本組合せて立て、それに藤蔓を....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
込むのに、かさかさと帯の鳴るのが浅間しかったのである。 気咎めに、二日ばかり、手繰り寄せらるる思いをしながら、あえて行くのを憚ったが――また不思議に北国にも日....
雪柳」より 著者:泉鏡花
嘘ではないらしい。狂言の小舞の謡にも、 十六七は棹に掛けた細布、折取りゃいとし、手繰りよりゃいとし…… 肌さえ身さえ、手の縋った、いとしいのを。 「やあ、畜生....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、測量員すら逡巡して通行しなかったところ、案内者も、今回が初対面、岩角に縋り綱を手繰り、または偃松を握りなどし、辛くも、連稜の最低部=槍と穂高の交綏点についた。....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
合せたるに、正に手応えありて懸りたるを知る。 『来たよ。』と叫びながら、両手にて手繰り始むれば、船頭直ちに、他の一仕掛を挙げ尽し、鈴をも併せ去りて、搦まるを予防....