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手習い
「手習い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手習いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
らのすけ》は眉をのべて、これも書見に倦《う》んだのか、書物を伏せた膝の上へ、指で
手習いをしていた吉田忠左衛門に、火鉢のこちらから声をかけた。
「今日《きょう》は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
めに大三郎の人相や風俗を訊いた。あわせてその性質や行状をたずねると、彼は五歳から
手習いを始めて、七歳から大学の素読を習った。読み書きともに質《たち》のよい方で、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い紙屋の亭主で、草履屋とはまったく縁のない商売でありながら、藤吉とは子供のときの
手習い朋輩といい、両方がおなじ釣り道楽の仲間であるので、ふだんから親しく往きかい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るらしく、そこには稽古用の本箱や三味線が置いてあった。八ツ(午後二時)少し前で、
手習い子もまだ帰って来ない時刻のせいか、弟子は一人も待っていなかった。 「妹はど....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が、それが町人や職人の子でないこともすぐに覚られた。おそらく浪人者の子か、貧しい
手習い師匠の娘などであろうと、おきぬ等は想像した。娘は父の病気平癒のために観音さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
生が面白いじゃありませんか。これでも先生ですぜ。この額をかいてくれたのは、神田の
手習い師匠の山村小左衛門という人で、菱秋というのは其の人の号ですよ」 「それにし....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
もなくなってしまいましたが、私が子供の時代には、まだそれが一般に行なわれていて、
手習いをする子は皆それに向かったものです。わたしもその一人でした。今でも「寺子屋....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
て、名誉な瘤ではなかったのである。 「係長さん。僕は今のところ、こうやって、毎日
手習いをしているのです。そして、神様に祈っているのです」 「なんだ、たった、それ....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
いましたが、私は新参だから夜店へも行かしてもらえず、夜は大戸を閉めおろした中で、
手習いでした。おまけに朝は一番早く起された。そして、戸を明け、掃除をするのですが....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
しんでいるように見えたのである。 「のうフローラ、そなたとこうして、恋のはじめの
手習いをするにつけて、つくづく近ごろは、沖に船が、通らねばよい――とのみ念ずるよ....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
この町内の数珠屋のむすめで、午すぎの八つ(午後二時)を合図に、ほかの友達と一緒に
手習いの師匠の家から帰った後、一度も表へその姿をみせなかったのである。お兼はおな....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
ラシ自体がわるかった。 おれもお前に貰って、見たが、版がわるい上に、紙も子供の
手習いにも使えぬ粗末なもので、むろん黒の一色刷り、浪花節の寄席の広告でも、もう少....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
字を巧く、くずし方などあると、絵の横に書きとって来ることがありました。これが自然
手習いになったようです。ある大名の売立に行くと、美事な貫之のかながきの巻物があり....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
音がきこえた。来月の七夕には何か色紙を書くのだと言って、女中は午後から一生懸命に
手習いをしていた。それに釣り込まれて、わたしも午後から机にむかって教科書を読みは....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
家体を飾って、うしろの出入口には障子が閉めてあります。菅秀才が上手の机にむかって
手習いをしている。下手に涎くりとほかに三人の子供が机にむかっている。いずれも日本....