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手腕
「手腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
言葉を聞き入れなかった。その猿をとうとう得心《とくしん》させたのは確かに桃太郎の
手腕である。桃太郎は猿を見上げたまま、日の丸の扇《おうぎ》を使い使いわざと冷かに....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
きをよこして、妻を禽獣《きんじゅう》に比しました。ある者は、宅の黒塀へ学生以上の
手腕を揮《ふる》って、如何《いかが》わしい画と文句とを書きました。そうして更に大....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
うどうなるかわからない。今ならば我方に多少の好条件を確保する可能性がある。外交の
手腕によってはボルネオくらいは残し得るかもしれない。しかし今年の後半期においては....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
戸 二十七万人 神 戸 七万戸 二十六万人 これ下村新情報局総裁の
手腕のあらわれと見える。 此の発表で、帝都に関しては「三月十日は不幸にして風が....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
べているのか。あいつは若い癖して、いやに気が永くていかんわい。――といって、外に
手腕のある奴、信用のおける奴はいないし、困ったものだ」 そういっているところへ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
この目覚しいのを見て、話の主人公となったのは、大学病院の内科に勤むる、学問と、
手腕を世に知らるる、最近留学して帰朝した秦宗吉氏である。 辺幅を修めない、質素....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
に、其の色を見せることは、其の人の腕によることで、恰も画家が色を出すのに、大なる
手腕を要するが如しだ。 友染の長襦袢は、緋縮緬の長襦袢よりは、これを着て、其の....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
痴ということになるのである。 映画音楽家の場合、最も必要な才能は必ずしも作曲の
手腕ではない。まず、何より鋭敏な感覚と巧妙なるアレンジメントの才能こそ最も重宝な....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
に親しみ、浅田を介して小栗との間に、交通を開き事を謀りたる者にて、流石は外交家の
手腕を見るべし。かくて事の漸く進むや外国奉行等は近海巡視など称し幕府の小軍艦に乗....
「瘤」より 著者:犬田卯
件――津本が県会議員をやめて「名村長」、大もの村長として自分の村に君臨して縦横の
手腕を揮っていた時分、誰の差し金かは分らぬが――恐らく彼に反対する一派のものの投....
「浮世絵画家の肉筆」より 著者:上村松園
よりも一段上だと思われました。ですから自然、錦絵の価値と申すものは、作家その人の
手腕にばかり帰してしまうわけには参りかねるのじゃないでしょうか。あの彫りの巧さ、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
「――瓜を食って生きている――」 いま芸術を論ずる場合ではないのだから、渠の
手腕についてはあえて話すまい。が、その作品のうちで、瓜――甜瓜が讃美される。露骨....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
面にも実業的方面にもちょっと首を突込で見て直ぐイヤになった。この方面では二葉亭の
手腕がまだ少しも認められないで政治家だとも実業家だとも誰にもいわれなかったゆえ、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
触れて渠らと邂逅して渠らの辣手を振う経営ぶりを目のあたりに見る度毎に自分の経済的
手腕の実は余り頼りにならないのを内心|危なッかしく思いながらも脾肉に堪えられなか....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
して露国の暗流に良く通じていたが、露西亜の官民の断えざる衝突に対して当該政治家の
手腕器度を称揚する事はあっても革命党に対してはトンと同感が稀く、渠らは空想にばか....