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「手荒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手荒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
あの阿濃《あこぎ》の阿呆《あほう》めが、どうしても飲みおらぬ。されば、ついわしも手荒な事をした。それだけじゃ。いや、まだある。薬をこしらえおったのは、おばばじゃ....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
んです」などと、さもしいことを並べていた。が、その手も利《き》かないのを見ると、手荒に玄関の格子戸《こうしど》をしめ、やっと門外に退散した。自分はこの時こう云う....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
人は、すばやく、老婆の着物を剥ぎとった。それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒く死骸の上へ蹴倒した。梯子の口までは、僅に五歩を数えるばかりである。下人は、....
百合」より 著者:芥川竜之介
た」となれば、良平も黙るよりほかはなかった。金三はそこへしゃがんだまま、前よりも手荒《てあら》に百合の芽をいじった。しかし三寸に足りない芽は動きそうな気色《けし....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
いや、えい加減に勝手をいえ、今日限りだ、もうこんな家なんぞへ来るもんか」 薊は手荒く抑える人を押し退けて降りかける。 「薊さんそれでは困る、どうかまあ怒らない....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
ついたのは。 「隊長さん。あの月人は、ぼくのおじの毛利博士だと思います。だから、手荒なことはしないようにして下さい。」 正吉のことばは、隊長をおどろかすのに十....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
らは、こわれたカモシカ号へずかずかはいって来ると、大けがをしているきみのからだを手荒くなぐりつけるやら、あのへんな手をきみの口の中へおしこむやら、らんぼうをしや....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
や火星までも飛行ができるようになっていなければ、間に合わんぞ」 「やれやれ、話が手荒く大きなことになりましたな」 「そうだよ。宇宙の敵からわれわれを守るためには....
火星兵団」より 著者:海野十三
めよ」 「いや、とめない。もしとめると、わしは、また人間を殺すだろう。なるべく、手荒いことはしたくないからなあ」 そう言って丸木は、スピードをさらにあげて、芝....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
者の生命を保証することはできませぬ」 「いやわかっている。ジャック、お前はすこし手荒いぞ。ちと慎め」 「なにが手荒いものですか。私は昨日、この日本の小猿めに床の....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
組合の気脉が通って、待合の女房も、抱主が一張羅を着飾らせた、損を知って、そんなに手荒にするのであろう、ああ。 十 「大丈夫よ……大丈夫よ。」 「飛....
黒百合」より 著者:泉鏡花
こういった工合でなくッちゃ色男は勤まりませんよ。何でも不便だ、可愛いと思うほど、手荒く取扱って、癇癪を起してね、横頬を撲りのめしてやりさえすりゃ惚れた奴あ拝みま....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
となった。 「そんな事が出来るものか。」 と小松原が猶予うと、 「成程、へい、手荒だね。」 と正吉さえ頷くのである。 ここで、小松原が心着いたのは、その芭....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
て……」彼はこう思いながら、表題だけ書いた原稿用紙と計算の数字を書いた原稿用紙を手荒く引張り出し、それを揉苦茶にしてまた引き延ばし、子供の涙や鼻涕を拭き取った。....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
りだされてある。 おかみさんはいきなり、腹だちまぎれに、テーブルの上の麦わらを手荒くほうりだした。 がしゃんと、食事の皿をその上に、音をたててなげだした。 ....