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手落ち
「手落ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手落ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
時は疑深い彼女の心に影を落した。が、四五日いるうちにそれは全然お嬢様育ちのお鈴の
手落ちだったのを発見した。彼女はこの発見に何か満足に近いものを感じ、お鳥の便をす....
「星座」より 著者:有島武郎
を見るともう三時になっていた。部屋の中は綺麗に片づいていて、客を迎えるのに少しの
手落ちもなかった。自分の身なりをも調べてみて、ふたたび机の前に坐ろうとした時、ふ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ゃまになるのだ。そこで、会社のほうでは穏便《おんびん》がいいというので、むろん片
手落ちの裁判だけれど、私が因果を含められて、雇を解かれたのさ」 白糸は身に沁《....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
。 その外、海中標識灯や海中信号器に通信機、それから昇降機などの大きな機械類も
手落ちなく点検され用意された。 また海底調査隊員十一名が持って行く品物も集めら....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
た。彼等は広い海越しに時々声のない話をした。△△は××の年齢には勿論、造船技師の
手落ちから舵の狂い易いことに同情していた。が、××を劬るために一度もそんな問題を....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
要求するに足るだけの条件、すなわち悲劇の展開に必要なあらゆる境遇、あらゆる運命が
手落ちなく描かれ、悲劇的なシチュエイションが十分に用意され、さてそのうえで悲劇的....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
か」 「博士は外出時に変装するということを貴方が僕に注意しなかったのが、そもそも
手落ちですよ」 「博士のラボラトリーの前から警戒監視すべきが当然だ。しかるに貴様....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
わかに艇内は活発になった。 もちろん隊長テッド博士も操縦室へすがたをあらわし、
手落ちなく僚艇へ知らせ、監視を厳重にした。 艇内では、この話でもちきりだ。 「....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
外へ出、ぴったりと戸をしめた。そしてパネルの前に再び腰を下ろし、もう一度頭の中で
手落ちはないかと確《たしか》め、それから金網越しに、奥の台の上に列立する真空管や....
「超人間X号」より 著者:海野十三
「ああ、そうか。あの娘の頭蓋の中に、警官の脳髄《のうずい》をいれたのが、こっちの
手落ちだったな。よほど頭のきく警官らしい」 それにちがいない。検察庁《けんさつ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
か、落ちたものを拾っちゃなら無えとか云うんなら、数え切れ無え程あるんだ。そんな片
手落ちな成敗にへえへえと云って居られるかい。人間が法律を作れりゃあ、虫だって作れ....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
ター・システムの取引を承知しておきながら、かの燻精を変質させて送りかえすとは、片
手落ちも甚だしい。われに確乎たる決意あり。しっかり説明文をよこされよ” すると....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
かに悪性に活気づいた。 「むざむざと十四、五人も切らせるたァ、それは切らせる方に
手落ちがあるのだ。よォし、これから行って、拙者の腕を見せてくれる!」 「いや、そ....
「明日」より 著者:井上紅梅
瓶二本――枕辺に置いた。あとで王九媽が指折り数えて一つ一つ引合せてみたが、何一つ
手落ちがなかった。 この日藍皮阿五は丸一日来なかった。咸亨の番頭さんは單四嫂子....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
を見た。それから家政婦にいいつけて、家じゅうの窓や戸のカギを調べさせた。どこにも
手落ちはなく、透明人間が忍びこむすきは、どこにもない。そこへ警察署長が、しんぱい....