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手袋
「手袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
か。」
「毛利先生が電車の吊皮《つりかわ》につかまっていられるのを見たら、毛糸の
手袋が穴だらけだったって云う話です。」
自分たちは丹波先生を囲んで、こんな愚に....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
ると、もう一度人ごみの中へ帰り出した。しかしまだ十歩と歩かないうちに、ふと赤革の
手袋を一つ落していることを発見した。
手袋は巻煙草に火をつける時、右の手ばかり脱《....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ゆる巫女のように漠然と暗示を与えるだけである。保吉はいよいよ熱心に箸《はし》とか
手袋とか太鼓《たいこ》の棒とか二つあるものを並べ出した。が、彼女はどの答にも容易....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
を引け! 幕を!」
声の主《ぬし》は将軍だった。将軍は太い軍刀の※《つか》に、
手袋の両手を重ねたまま、厳然と舞台を睨《にら》んで居た。
幕引きの少尉は命令通....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
得なかった。
朝三時
さあ行こうと中原が言う。行こうと返事をして
手袋をはめているうちに中原はもう歩きだした。そうして二度目に行くよと言ったときに....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
襟巻《えりまき》をしめ、土耳古形《トルコがた》の帽《ぼう》を冠《かぶ》り、毛糸の
手袋《てぶくろ》を嵌《は》め、白足袋《しろたび》に日和下駄《ひよりげた》で、一見....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
人方は、菖蒲が過ぎても遊ばさるる。 直ぐに御歩行かと思うと、まだそれから両手へ
手袋を嵌めたが、念入りに片手ずつ手首へぐっと扱いた時、襦袢の裏の紅いのがチラリと....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
凪ぎ方をして、その上を霰まじりの粉雪がさーっと来ては過ぎ、過ぎては来る。君たちは
手袋を脱ぎ去った手をまっかにしながら、氷点以下の水でぐっしょりぬれた配縄をその一....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
ってもおこうものを。人間の黒い手は、これを見るが最後|掴み散らす。当人は、黄色い
手袋、白い腕飾と思うそうだ。お互に見れば真黒よ。人間が見て、俺たちを黒いと云うと....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ははは、拙者うまれつき粗忽にいたして、よくものを落す処から、内の婆どのが計略で、
手袋を、ソレ、ト左右糸で繋いだものさね。袖から胸へ潜らして、ずいと引張って両手へ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
女は凝と視た。ひとり紳士は気の無い顔して、反身ながらぐったりと凭掛った、杖の柄を
手袋の尖で突いたものなり。 饂飩屋は、行燈に向直ると、誰も居ないのに、一人で、....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
、確かその頃|流行ったらしい。手甲見たような、腕へだけ嵌まる毛糸で編んだ、萌黄の
手袋を嵌めて、赤い襯衣を着て、例の目を光らしていたのさ。私はその娘さんが、あとか....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
出して見ていました。 「母様、愉快いものが歩行いて行くよ。」 その時母様は私の
手袋を拵えていて下すって、 「そうかい、何が通りました。」 「あのウ猪。」 「そ....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
。旅なかまはたれにも見られないで、なにもかも耳に入れて来ました。王女は、あしたは
手袋のことをかんがえるはずでしたから、そのとおりをまた、夢にみたようにして、ヨハ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ままに、お妃さまの着る服を着せられ、髪に真珠の飾をつけて、やけどだらけの指に絹の
手袋をはめました。 エリーザがすっかりりっぱにしたくができて、そこにあらわれま....