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手足
「手足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
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金庫をこじあけている西洋人の人形。ただしこの人形の
手足についた、細い糸も何本かははっきりと見える。……
61....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に腰をおろすかおろさないのに、市女笠《いちめがさ》をぬいで、こう言った。小柄な、
手足の動かし方に猫《ねこ》のような敏捷《びんしょう》さがある、中肉《ちゅうにく》....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
の上もない片輪《かたわ》ですね。目の見えない、耳の聞えない、鼻の利《き》かない、
手足のない、歯や舌のない片輪ですね。そう云う片輪さえ出現すれば、一代の Arbi....
「冬」より 著者:芥川竜之介
っか》パイプを吸っていると、余計寒さも身にしみるようだね。」
「そうお、あたしも
手足が冷《ひ》えてね。」
従姉は余り気のないように長火鉢の炭などを直していた。………
(昭和二年六月四日)....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
かないと見えて、時々はただ、中心を失って舷《ふなばた》から落ちるのを防ぐために、
手足を動かしているとしか、思われない事がある。
それがまた、一層|可笑《おか》....
「河童」より 著者:芥川竜之介
地はないはずです。ではまたどういう動物かと言えば、頭に短い毛のあるのはもちろん、
手足に水掻《みずか》きのついていることも「水虎考略《すいここうりゃく》」などに出....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
しかし恩地小左衛門は、山陰《さんいん》に名だたる剣客であった。それだけにまた彼の
手足《しゅそく》となる門弟の数も多かった。甚太夫はそこで惴《はや》りながらも、兵....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
うものかい? 人間というものは角《つの》の生《は》えない、生白《なまじろ》い顔や
手足をした、何ともいわれず気味の悪いものだよ。おまけにまた人間の女と来た日には、....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
に壮厳すぎる滑稽であった。勿論彼等の間からは、喝采も歓呼も起らなかった。
彼は
手足の砂を払うと、やっとずぶ濡れになった体を起して、仲間の若者たちの方を眺めやっ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
新蔵の顔を見ると、手をとらないばかりにして、例の裏座敷へ通しましたが、やがてその
手足の創痕《きずあと》だの、綻《ほころ》びの切れた夏羽織だのに気がついたものと見....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
に最も怖ろしかったのは灸の熱さそれ自身よりも灸をすえられるということである。僕は
手足をばたばたさせながら「かちかち山だよう。ぼうぼう山だよう」と怒鳴ったりした。....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
母を集まらせた。殊に母は何とか云いながら、良平の体を抱えるようにした。が、良平は
手足をもがきながら、啜り上げ啜り上げ泣き続けた。その声が余り激しかったせいか、近....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
終を読み返した。私は歔欷いている自分の哀れな心の中に痛い傷痕をかんじて、我知らず
手足を折られでもした者のように呻き声を放った。 私はそこで河をひとが溯るように....
「初雪」より 著者:秋田滋
来た。蟻がそのへんをぞろぞろ這っているような気持である。また、別な蟻の群が自分の
手足のうえを這い※っているような気もした。しかし彼女はぐッすり睡った。 翌日に....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
儀をし、足をふみならした。 イカバッドは歌も得意だったが、ダンスも自慢だった。
手足といい、筋といい、一つとして遊んでいるものはないのだ。彼のだらりとしたからだ....