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手軽
「手軽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手軽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
たいのです。いけませんか?――なるほど阿媽港甚内に、こう云う事を頼まれたのでは、
手軽に受合う気にもなれますまい。ではとにかく一通り、事情だけは話して見る事にしま....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
《さつりく》を喜ぶなどは、――尤《もっと》も相手を絞め殺すことは議論に勝つよりも
手軽である。
我我は互に憐まなければならぬ。ショオペンハウエルの厭世観《えんせ....
「外科室」より 著者:泉鏡花
できません」 「いいよ、痛かあないよ」 「夫人《ふじん》、あなたの御病気はそんな
手軽いのではありません。肉を殺《そ》いで、骨を削るのです。ちっとの間御辛抱なさい....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
れの近くへ石臼《いしうす》を持出し話しながら、白粉《しろこ》を挽《ひ》き始める、
手軽気軽で、億劫な風など毛程も見せない、おれも訳なしに話に釣り込まれた。 「利助....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
で、ちょいと色に迷ったばかり、おいやならよしなさい、よそを聞いてみますという、お
手軽なところだと、おれも承知をしたかもしれんが、どうしておれが探ってみると、義延....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
書斎に林檎のことを考えていた。林檎とは一体何であるか?――それは彼には昔のように
手軽には解けない問題だった。彼は机に向ったまま、いつかこの謎を口にしていた。 「....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
た。 「何しろ相手は、輪形陣だ、その中心の、そのまた中心にいる航空母艦だ。鳥渡、
手軽にはゆくまいな」 「輪形陣が、破れまいと、確信しているところが、こっちの附け....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
一年目 ◯福田義雄君来宅。ちかごろの真空管はゲッターの研究が進んで、真空化が実に
手軽になった由。送信術でも二十五ケ一台を三十分にて排気作業完成し完封するので、一....
「金属人間」より 著者:海野十三
だから、かんたんに書く。――博士は、両手をじぶんの頭にかけると、帽子をぬぐような
手軽さで、頭蓋骨《ずがいこつ》をひらき、中から透明な針金細工《はりがねざいく》の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
速度調整装置、照準装置、そのほか飛行島のすべての働きが電流仕掛で司令塔内より至極
手軽に動かされるようになっていた。そういう設備の末の端が円形のジャック孔となって....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
した両側の長屋の中に、溝板の広い、格子戸造りで、この一軒だけ二階屋。 軒に、御
手軽|御料理としたのが、宗山先生の住居だった。 (お客様。)と云う女の送りで、ず....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ありゃしませんや。) とその容子だもの、お前さん、何だって構やしません。――お
手軽様に言って退けると、口に袖をあてながら、うっかり釣込まれたような様子でね、ま....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
われたのは、ふらんねるの茶色なのに、白縮緬の兵児帯を締めた髭の有る人だから、事が
手軽に行かない。――但し大きな海軍帽を仰向けに被せた二歳ぐらいの男の児を載せた乳....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
を、作者を訪ねて見えた、学校を出たばかりの若い人が、一月ばかり、つい御不沙汰、と
手軽い処が、南洋の島々を渡って来た。……ピイ、チョコ、キイ、キコと鳴く、青い鳥だ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
番を。 三 何、別に仔細はない。客引に使った中年増でもなければ、
手軽な妾が世間体を繕っているのでもない。お伽堂というのは、この女房の名の、おとき....