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「手軽い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

手軽いの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外科室」より 著者:泉鏡花
できません」 「いいよ、痛かあないよ」 「夫人《ふじん》、あなたの御病気はそんな手軽いのではありません。肉を殺《そ》いで、骨を削るのです。ちっとの間御辛抱なさい....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
の気分が加わった。 そうした気分の東京人は、与えられたバラック建築の自由自在な手軽い特徴を利用して、持っている限りの建築趣味を発揮した。有らん限りの智恵と工夫....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
造作に、スラスラと流れ出たのであった。 恰も大人が小児に云って聞かせるような、手軽い、親切な気持ちをこめて……しかし、それを聞いているうちに私は、今朝からまだ....
二重心臓」より 著者:夢野久作
ゃが今の眉の間と、鼻の頭に貼った五分角ぐらいの万創膏が、アトで研究してみると実に手軽い、しかも恐ろしい効果のある変相術じゃったよ。余程、甲羅を経た奴でないとコン....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
言も言葉を交さなかった。知らぬ者が見たら、銀座裏でギャング同志がスレ違った程度の手軽い挨拶に過ぎなかったが、しかし、その内容は雲泥の違いで、両翁とも互いに、往年....
父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
なられたら私は簡単に火葬にして、お母さんや妹と一緒に三等車で九州へ引上げて、極く手軽い葬式をするつもりです。いいですか」と念を押していた。母はいつも涙ながらニコ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
ら想像される。 そうして万一そうとすれば、只圓翁のこの披露は、当節の披露の如き手軽い意味のものでない。正に福岡地方の能楽界に一紀元を画した重大事件であったろう....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
を、作者を訪ねて見えた、学校を出たばかりの若い人が、一月ばかり、つい御不沙汰、と手軽い処が、南洋の島々を渡って来た。……ピイ、チョコ、キイ、キコと鳴く、青い鳥だ....
わが父」より 著者:宮本百合子
々した体内に震撼的に現れたのであった。 私は一月の半ばごろ面会に来た妹から極く手軽い口調で父が入院したことを知らされた。妹は背後からさす鈍い逆光線の中にコート....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
になったら胆吹の山の留守師団長なる不破の関守氏の許まで届けさせる。 それだけの手軽い動作で、次に硯《すずり》の蓋をしにかかりました。硯箱も、蒔絵も、相当時代も....
けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
玄関に向って右手の室の壁にチャント附いている。又、普通の意味の通気筒ならばモット手軽い、品のいい、理想的のものがイクラでも在る。台所も電気と瓦斯だけで片付けてい....
ざんげの塔」より 著者:夢野久作
犯罪」の告白はその中間程度の生ぬるいところで勘弁していただかねばならぬ。 まず手軽いところから……。 ショッチュウ東京福岡間を往復していた頃のこと。急行でも....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
わるるのかな。」 女がこれから持ち出そうとする問題は、なかなかそんな有り触れた手軽いものではないらしかった。かれはしばらく口籠って、床の下に鳴き弱る虫の声を聞....
食道楽」より 著者:村井弦斎
チは大概ハムをパンの間へ挟んだのですが宅では色々のサンドウィッチを作ります。先ず手軽いのが玉子のサンドウィッチで湯煮《ゆで》た玉子を黄身も白身も一緒に裏漉《うら....