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手重
「手重〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手重の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
「だから人間の身体《からだ》ほど不思議なものはないと思うんだよ。あれほどお医者が
手重《ておも》くいったものが、今までしゃんしゃんしているんだからね。お母さんも始....
「明暗」より 著者:夏目漱石
に手紙を出して事情を訴えるよりほかに仕方がないと思った。それには今の病気を、少し
手重《ておも》に書くのが得策だろうとも考えた。父母《ふぼ》に心配をかけない程度で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ここに繰り返すまでもない。 亀吉の傷は軽かったが、幸次郎の痛みどころはかなりに
手重いので、六月二十八日の朝、半七は幸次郎の家へ見舞いにゆくと、その帰り道で又も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
国屋へ行ってみると、勇吉の傷は右の手に二ヵ所と、左の肩に一ヵ所であったが、どれも
手重いものではなかった。それでもよほど弱っているらしいのを常吉はいたわりながら、....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
はいよ/\大きくなりました。なにしろ即死が三人手負が五人で、手負のなかにもよほど
手重いのが二人ほどあるというのですから大変です。勿論、式の通りに届けて検視をうけ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
水を持たせたりはしなかったが、寺子屋の芝居に見る涎くりを其の儘の姿であった。更に
手重いのになると、教授用の大きい算露盤を背負わせて、教師が附き添って各級の教場を....
「爛」より 著者:徳田秋声
そこを出たとき、浅井に話しかけた。 四十四 ふとした感冒から、かなり
手重い肺炎を惹き起した静子が、同じ区内のある小児科の病院へ入れられてから、お増は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、立て廻してくれました。六枚屏風は少し大形《おおぎょう》だと感じましたが、その
手重いところが、また、旅情の一つと嬉しくも思いました。 そこで、枕について、そ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
にかくれんぼを遊ばす陽気ではござりません。殊に靴までお隠しなさりますなぞは、ちと
手重過ぎまするで、どうも変でござりまするが、お年紀頃、御容子は、先刻申上げました....
「四十八人目」より 著者:森田草平
つづきになっているのだ。去年三月の片手落ちなお裁きから見ても、また今度の大学様の
手重い御処分から見ても、吉良家に乱入したものをそのまま助けておかれるはずはない。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
手入れして、至って草多きところは最後にすべし。これ最も大切の事なり。至って草多く
手重のところを先にする時は、大いに手間取れ、その間に草少なき畑も、みな一面草にな....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
など、この御手軽というものはいつもかわらぬ流行で、またこの御手軽主義から、中々御
手重料理にはないうまいものが発明されて行く。 一体に東京のうまいものは、本式の....