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手間取り
「手間取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
手間取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って済みません。近所の屋敷の奴を二、三人たずねたのですが、あいにくどいつも留守で
手間取りました。だが、すっかり判りました。浅井の妾の親許は小梅の植木屋の長五郎、....
「蠅男」より 著者:海野十三
まへん。書くというたら書きますがな。しかし飛び下りたらあかんでえ」 たいへんな
手間取りようであったが、遂に帆村の命令が店員長吉によって行われた。長吉は樽の上に....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
え、中々|旨え……兄い喰ってみねえ……おゝ婆さん、お燗が出来たか」 婆「大きに
手間取りやした、お酌をしますかえ」 兼「一杯頼もうか……婆さんなか/\お酌が上....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
ッ子らしくつけつけと口を利いた。 「まだお早くて材料が準備してございません。少々
手間取りますが……お気の毒さまですが……へい……」 私はこのボーイをちょっと憤....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
十や十五の子供ではなし、迷児《まいご》になったのではあるまいが、それにしても少し
手間取り過ぎるよ」 「それに旅人の鈴の音が、小山の向こう側で聞こえております」 ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いことになっているらしくて珍らしいことです。何とかして買う様にしましょう。尚また
手間取りますが、(新しいのが間に合わないこともあるでしょう)紙屋の松屋の表に紙が....
「程よい人」より 著者:豊島与志雄
執拗になったが、私はそれをも無視した。 ところが、或る日、事務の処理にちょっと
手間取り、而もその日のうちに片附けておきたかったので、一時間ばかり居残って仕事を....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ったというのじゃない。旅行をする気になるのに永くかかったというのじゃ。」 「私の
手間取りましたのは、」――と甥はちょっと返答をためらって――「いろいろな用事のた....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
が、いかに私が表面に立って師匠没後の仕事を取り扱う責任を持つとはいえ、私は一個の
手間取りでありますから、高村家の後事について一家の内事にまで指図をするというわけ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
て、製作本位に仕事をする。つまり先生株の人たちであり、後のは、何処までも職人的で
手間取りが目的、商人のいうままにどうともなろうという側である。こうまず二派に別れ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
こへ五十|過くらいの洋服の人が出て来ました。主人でしょう。黒い切を被って、何かと
手間取ります。 やっと終ってそこを出る時、「これから仲見世だ、何でも買って遣る....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
っていた。 『ええ、昨日御約束致しました件について御伺い致しました。思いがけなく
手間取りまして、何とも申訳がございません』 『いかがです、昨日のお言葉通り真物が....
「城」より 著者:カフカフランツ
器材をたずさえた私の助手たちは、あす車でやってくるのです。私は雪でここにくるのを
手間取りたくなかったのだが、残念ながら何度か道に迷ってしまい、そのためにこんなに....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
揮は決して受けぬ、善いも悪いも一人で背負って立つ、他の仕事に使われればただ正直の
手間取りとなって渡されただけのことするばかり、生意気な差し出口は夢にもすまい、自....