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才分
「才分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
才分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
くか、友と語るか 日本の母を忘れて 忘るるもよしやわが児よ 育ち行くおまえの命、
才分の弾ぜ溢るるに 何しかも母の事など 忘るとも、よしやわが児よ おまえが母は「....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
したと思いました。けれど、ジョウの原稿は、五六篇のかわいいお伽話でしたが、文学的
才分と全精力を数年間かたむけて書いたもので、ジョウにとっては、とり返しのつかぬ損....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ように公家の間のものではない。そして、正徹・尭孝の両師を比較品評した上で、個人の
才分よりは一層おしの利く二条流の格式に惚れて、尭孝の門弟となり、そのあとをついだ....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
に他人を傷つけるような態度に出るのが不快だった。が、それにもかかわらず、あいつの
才分を認めないわけにはいかなかった。山野でも桑田でも、確かに第一歩は踏み出してい....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。何が残酷と言っても、年少の好学の子弟を、学芸への燃えるような愛と、立派にのびる
才分とを持ってるのに、学問の道から拒む貧困ほど不合理なものはない。これはまったく....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
取散らしたままになっていたから、遁れたのではありますまい、とのことでした。あたら
才分はありながら終をよくしなかったのは惜しいことでした。 祖父が病を押して江戸....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
他いっさいの内容外観をつくるのであります。この生きることだに容易でない世に自分の
才分にもない油絵、彫刻、書画をもって店を荘厳することは過ぎたるわざかも知れないけ....
「回想録」より 著者:高村光太郎
のには実によく、苦労した人だが毒のない飄逸な人だったから奈良で人望を得た。弟子の
才分に応じて職をやるようにしたのだが、弟子がやってゆけるようにする為に、父自身は....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
死ぬるきわまで狂言をつづけ了せる。僕は幽霊だ。ああ、僕を忘れないで呉れ! 僕には
才分があるのだ。荒城の月を作曲したのは、誰だ。滝廉太郎を僕じゃないという奴がある....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
思議な存在であった。葉子との郷里の※縁で庸三を頼って来たものだったが、詩の天才的
才分は、庸三も認めないわけに行かなかった。朝から晩まで着たきりの黒サアジの背広に....
「黴」より 著者:徳田秋声
悲観した。M先生の歿後、思いがけなく自然に地位の押し進められていることは、自分の
才分に自信のない笹村にとって、むしろ不安を感じた。 「君は観戦記者として、軍艦に....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼のうちにあったし、また彼は行動をけっしていやがらない平民的な活力によって、詩的
才分によって、いかなる嫌悪《けんお》にも平然たるだけの厚顔さによって、オリヴィエ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
。
調所笑左衛門は、十年の間に、島津の家の基礎を作った人であった。常人以上の
才分と共に、常人以上の精力と、胆力とを持っていた。
二十年前、重豪公から、斉興....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
の思索に於ける収穫で詩論としての総勘定と言うべきものだ。もとより非力にして無能、
才分まずしき僕の著作である故に、赤面なしに大言することはできないけれども、僕とし....
「旭川から」より 著者:宮本百合子
そこに諷刺のおさえがたい横溢を表現してゆくという製作の態度よりは、寧ろ小熊秀雄の
才分の面白さ、という周囲の評価の自覚において諷刺の対象への芸術家としての歴史的な....