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才腕
「才腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
才腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
景気よく飛び出したものでしたから、ここにいたってむっつり右門の別あつらえな明知と
才腕は、配下伝六の骨身をおしまざる活躍とあいまって、いよいよその第六番てがらの端....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ましをお話ししましたとおり、天下無類の黙り虫の変わり者にかかわらず、おどろくべき
才腕を現わして、一世を驚倒させたあの戦慄《せんりつ》すべき切支丹《きりしたん》宗....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
じみとこの世がはかなく思えたのはむべなりというべきでした。しかも、その身に無双の
才腕、無双な慧眼《けいがん》知力のあるにおいてをやです。だから、伝六、辰の両名が....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
上に立往生した末、七年間の恥と苦痛に健康を害《そこ》ねている。卒倒してしまった。
才腕ある士だったが、まもなく政界を退《ひ》いている。 二年後に、ある婦人記者が....
「旅愁」より 著者:横光利一
貰った。」
固そうな白い鬚に父の表情は隠されていたが、直接に見たこともない父の
才腕も、微笑を含んだ眼もとに冴え光るものの走るのを眺め、あれが父の鍛錬の顕れであ....
「夜の靴」より 著者:横光利一
離れて成り立たないものだ。それも緩急自在な芸術性さえ備えている。その稀な計算力の
才腕には、たしかに天才的なところがあって、周囲のものにはただ打算に見えるだけの抜....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
もなくなつてゐた。 一つはオコウちやんなる秘蔵ッ子を差向けたのが手落ちの元で、
才腕はあるが、まだ二十の娘で、女といへば芸者しか知らない。花柳界の礼儀で、待合の....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
ぱら裏面の秘書、久須美の女の始末だの、近ごろでは物資の闇方面、そっちにかけてだけ
才腕がある。彼を敵にまわさぬことが私には必要だった。 「これ幸いと一役買っていら....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
るべき家を買い女中に侍かれて通学したのであるが、その頃から人の物を横どりするのに
才腕をあらわすようになった。 左側の生徒が使っているナイフをそッと掌中に握る。....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
正道につかせたいのだ。 才蔵のようなチンピラ悪者とちがって、サルトルはマトモな
才腕もあるし、厚い人間味もあるのである。本来は正義を愛する人間であり、正道につい....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
出版部へ集めたのである。それは雑誌の編集に特に抱負があったからで、編集上の見識や
才腕を特に見込んだ者でなければ、雑誌部へは入れなかった。 「青木さん。ビール、の....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
《ま》れなる才能と、比《たぐ》いなき麗貌《れいぼう》の武子姫が、世間的に地位なく
才腕なき普通の連枝へ、御縁づきになる事は、法主鏡如様の権威に関《かか》わり、なお....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
、高も、腹の子のいれものとして納めておけ。高の財産を管理して行くうえにも、そちの
才腕と世つぎの子は、大切であろうぞ――立て」....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
にかかわらずその処世の才は業界でも目ぼしいもので、この葛岡氏なら、刺繍塾の経営の
才腕も相当であろうと、わたくしには肯けた。 銀三は手まめに茶を注ぎまわり菓子を....
「三国志」より 著者:吉川英治
どと共に、兵糧増産などの役に用いていた。 多年軍需相として、重要な内政の一面に
才腕をふるっていた李厳の退職は、何といっても、蜀軍の一時的休養と、延いては国内諸....