打ち壊す[語句情報] »
打ち壊す
「打ち壊す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打ち壊すの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
ている場合とは少々違うのであります。欠いているのはただ含んでおらんと云うまでで、
打ち壊すとなると明かにその理想に違背しているのですからして、この場合には作家の標....
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
一言しておきたいのですが、何だか個人主義というとちょっと国家主義の反対で、それを
打ち壊すように取られますが、そんな理窟《りくつ》の立たない漫然《まんぜん》とした....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、愛がそれを破壊し終る力を持たない故に、いつまでもその醜い残骸をとどめて、それを
打ち壊す愛のあらわれる時に及ぶ。 愛の純粋なる表現を更に切実に要求する人は、地....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。「すると、貴方がたを殺すとでも云いましたかな。いや、事実あの方には、とうてい
打ち壊すことの出来ない障壁があるのです」
それに、レヴェズ氏が割って入った。そ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
らあるけれども、陽気で滑稽なところに親しみを覚えさせる。何かしら行儀正しいものを
打ち壊すような野蛮に響く力がある。 この「ええじゃないか」が村の年寄りや女子供....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
う事がわかると、今云った通り飛んでもない錯覚に陥って、吾輩の実験をメチャメチャに
打ち壊す虞れがあるんだ。だから君がスッカリ前後の事実を飲み込んで、それを一つの記....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
の仕事とは何でございましょうか。 ……日本のためにならぬJ・I・Cの秘密結社を
打ち壊す事でございます。この仕事は、亜米利加を怖がっている日本政府のお役人たちに....
「青年」より 著者:森鴎外
ている位である。Paul Heyse の短編小説に、競争仲間の彫像を夜忍び込んで
打ち壊すことが書いてあるが、あれは性格の上の憎悪を土台にして、その上に恋の遺恨を....
「橋」より 著者:池谷信三郎
性がないことなのよ。それに、家名だとか、エチケットだとか、そういう無意義な重荷を
打ち壊す、強い意志を育ててくれる、何らの機会も環境も、私たちには与えられていなか....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
、私はそれ以後、機械説なるものに慊らぬ感じを懐きました。機械説は結局人間の希望を
打ち壊すものです。恐怖があり、病気があり、死ということがあればこそ、人間に生き甲....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
決して徒な作為を弄したつもりではない。読者の持っている旧観念の偶像を、その事で、
打ち壊すために試みた一描写に過ぎないのである。 わが家の香屋子を見ていても、四....