打ち寄する[語句情報] » 打ち寄する

「打ち寄する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

打ち寄するの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:菊池寛
とが多かった。が、一月、二月経つうちに、そうした悲憤慷慨が、結局鬼界ヶ島の荒磯に打ち寄する波と同じに、無意味な繰り返しに過ぎないことに気がつくと、もう誰も、そう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て変り、岸辺の砂浜に似たところや、板のような岩の上や、岩と岩との狭間《はざま》に打ち寄する波のあまりが、追いつ追われつしているところを描いたものです。 「ここに....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
きてあるなり、心づけば船の動揺はなお止まず、余はある時間の間気絶せる後、またもや打ち寄する巨浪のために、船は激しく傾き、一方より一方にまろんで頭を打ち、今ようや....
書記官」より 著者:川上眉山
と話を消してしまいぬ。 名にし負える荻はところ狭く繁り合いて、上葉の風は静かに打ち寄する漣を砕きぬ。ここは湖水の汀なり。争い立てる峰々は残りなく影を涵して、漕....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
い煩わず、美しき流れに逞しき手足を任す人こそめでたけれ。流れはその人の美しき岸に打ち寄する……。 ラヴィニア突然語を止む。あたりを見廻す。何事の起りしかを感知し....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
原をはるかに上代に求めねばならぬのである。 遊行僧はすなわち浮浪の法師である。打ち寄する浪のまにまに浮び行くものである。古え浮浪人をウカレビトといった。すなわ....