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打って出る
「打って出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打って出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「陣中日誌(遺稿)」より 著者:山中貞雄
(藤井滋司 宛) (一) 将棋の【歩】にもいろいろあるが敵王頭にピシリと捨身に
打って出る【歩】もあれば、マタ、棋士が手に詰まった時、ひょいと突く【香《ヤリ》】....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
いて、あまり相違はないと思われる岡本や川瀬や杉野でさえ、これでもう的確に、文壇に
打って出る第一歩を踏み出しているのだ。しかるに俺は、山野が手紙の中にあれほど軽蔑....
「出世」より 著者:菊池寛
る幾百幾千という青年が、多少の落伍者はあるとして、それぞれ目的を達して、世の中へ
打って出るにもかかわらず、あの爺は永久に下足番をしている。あの暗い地下室から、永....
「野分」より 著者:夏目漱石
日御邪魔に上がったのは、少々御願があって参ったのですが」と今度は道也先生の方から
打って出る。御願は同情の好敵手である。御願を持たない人には同情する張り合がない。....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ら、彼は丸の内へ出勤することになった。商会は焼け跡に、仮事務所を作り、再び商売に
打って出ることになったからである。 「ね、早く帰って来てネ。後生だから……」 ....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
ラヂオの日本」に書いた短いもの。将来の科学小説として、この種のものがまず読書界に
打って出るのではあるまいかと思う。この辺のものであれば、小説作法を知らない科学者....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
すに過ぎなかったのであったが、いよいよ『ホトトギス』を東京に移して晴々しく文壇に
打って出ることになってから、居士の注意も暫くは此の雑誌の方に傾いていたようであり....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
な制度のもとにあっては、にわかに『ホトトギス』を世間体の雑誌に改革して競争場裡に
打って出るというようなことは仲々難かしかった。漱石氏はそんなことには頓着なしに、....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
狭くしています。
甲冑に、太刀と盾とで、
身方の背後に石垣を築いて、相図をすれば
打って出る
用意をして待っています。
(小声にて解事者等に。)
どこから連れ....
「三国志」より 著者:吉川英治
きたと知って、ちぢみ上がったが、 「柵、塹壕、陣門をかたく守って、決して味方から
打って出るな」と、戒めた。 短兵急に押しよせた張飛も、蓑虫のように出てこない敵....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
へ急達してきた。 「――賊は燎原の火の勢いです。あるいは、木曾路をへて尾張黒田へ
打って出るやもしれません。一刻もはやく尾張方面へ、お防ぎの軍勢をくだしおかれます....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ぬほどだという。 尊氏の床几をめぐる性急な軍議では、 「この不揃いな装備のまま
打って出るのは如何なもの?」 と、ひとまずは、受けて守るが利とする説が多かった....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
泰」 「なんで疑わしきことを、わざとお耳に入れましょうか」 「でも、わしが近江へ
打って出る日まで、さような御気振りは、少しもなかったが」 「秘事でもあり、お諮り....