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打勝つ
「打勝つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打勝つの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
二つながら感じている。ただ、幸いにしてこの市《まち》の川の水は、いっさいの反感に
打勝つほど、強い愛惜《あいじゃく》を自分の心に喚起してくれるのである。松江の川に....
「父」より 著者:金子ふみ子
に相違ない。けれど、祖母は無智な田舎の百姓女である。この狡猾な都会ものの嘘八百に
打勝つことがどうしても出来なかったのである。 祖母は空しく帰って行った。父は厄....
「生活について」より 著者:豊島与志雄
っきりとしていて初めて、偉大な仕事も為され、力強い生涯も生れてき、あらゆる困難に
打勝つことも出来る。 方向の定まっていない者は歩くことが出来ない。方向の定まっ....
「蜘蛛」より 著者:豊島与志雄
すっかり安心してしまった。赤蜂は庭にいる虫類のうちの最も獰猛なものである。それに
打勝つとすれば、蜘蛛にとっては万々歳である。 ところが、それから二三日後の午頃....
「北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
。この意識は重要な反省の種とはなるが、然しそれに負けてはならないのである。それに
打勝つだけの別個のものを所有しなければならない。支那の若いインテリ層は、自分の問....
「物理学実験の教授について」より 著者:寺田寅彦
って生徒の自発的研究心を喚起し、観察力を練り、また困難に遭遇してもひるまずこれに
打勝つ忍耐の習慣も養い、困難に打勝った時の愉快をも味わわしめる事が出来る。その外....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
たは何物をも提供せずに肥沃な土地を豊富に得られるということは、一般に一切の障害に
打勝つほど強力な人口増加の原因たるものである。 1) Short's New....
「ある自殺者の手記」より 著者:小酒井不木
が、それは反省と妥協の余地のある自殺に限るので、僕のような場合にはただ生の執着に
打勝つ方法が問題となるだけだ。 スプリングボールドはいうまでもなく死の道づれだ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
人は神の特別なる恩寵を受くるスラヴ人の当然の使命だと思ってもいるし、文明が野蛮に
打勝つ自然の大法だとも信じている。それ故に露西亜人の眼から見て野蛮国たる日本に露....