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「打見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

打見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
ちそう》は人参と干瓢ばかりじゃ。) とからからと笑った、慎《つつし》み深そうな打見《うちみ》よりは気の軽い。 二 岐阜《ぎふ》ではまだ蒼空《あおぞら》が....
河口湖」より 著者:伊藤左千夫
かに消しのこされている。 湖水の水は手にすくってみると玉のごとく透明であるが、打見た色は黒い。浅いか深いかわからぬが深いには相違ない。平生見つけた水の色ではな....
観画談」より 著者:幸田露伴
い位な大きな古びた画の軸がピタリと懸っている。何だか細かい線で描いてある横物で、打見たところはモヤモヤと煙っているようなばかりだ。紅や緑や青や種※に移しながら看....
天守物語」より 著者:泉鏡花
にいたる。 所 播州姫路。白鷺城の天守、第五重。 登場人物 天守夫人、富姫。(打見は二十七八)岩代国猪苗代、亀の城、亀姫。(二十ばかり)姫川図書之助。(わかき....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
うと、お前の故郷の、浦の磯に、岩に、紫と紅の花が咲いた。それとも、星か。 (一同打見る。) あれは何だ。 美女 見覚えました花ですが、私はもう忘れました。 公子....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
繰返して、うっかりしていた判事は、心着けられて、フト身に沁む外の方を、欄干|越に打見遣った。 黄昏や、早や黄昏は森の中からその色を浴びせかけて、滝を蔽える下道....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
いじゃあないか。」 「だって何だから……どうしたんだなあ。」 ひたすら楽屋の方打見やる。国麿は冷かなる笑を含み、 「用があるんか。誰か待ってるか、おい。」 「....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
わしい。 「どうしたんです、何を買っていらしったんです。吃驚するほど長かった。」打見に何の仔細はなきが、物怖したらしい叔母の状を、たかだか例の毛虫だろう、と笑い....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
女性がすぐ眼の前に現われ、いかにも優さしく、私を見てにっこりと微笑まれるのです。打見る所、年齢は二十歳余り、顔は丸顔の方で、緻致はさしてよいとも言われませぬが、....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
さな姿を隠してしまった。 与助は村の医師の独り息子で、ことし十六の筈であるが、打見はようよう十一二くらいにしか見えない、ほとんど不具に近い発育不全の少年であっ....
貞操問答」より 著者:菊池寛
だわ。あたし、潔く退却するわ。お姉様達二人で、仲直りなさいよ。」 年も行かぬ、打見には子供らしい美和子だったが、その笑い方と云い、言葉と云い、涙ぐんで、ゴタゴ....
赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
其中を歩いて行くのでした。 其時行手から人波を分けて侍が三人遣って参りましたが打見た所御家人か小禄の旗本と云ったようながさつな人品でございます。やがて人波に揉....
書記官」より 著者:川上眉山
辰弥の耳は逸早く聞きつけて振り返りぬ。欄干にあらわれたるは五十路に近き満丸顔の、打見にも元気よき老人なり。骨も埋もるるばかり肥え太りて、角袖着せたる布袋をそのま....
三枚続」より 著者:泉鏡花
いて、すわや消えんとしては燃え出づる、その都度|夜商人は愁わしげなる眉を仰向けに打見遣る、大空は雲低く、あたかも漆で固めたよう。 蒼と赤と二色の鉄道馬車の灯は....
活人形」より 著者:泉鏡花
得三は人形の前に衝と進みて、どれ、ちょっと。上※の被を引き上げて、手燭を翳して打見|遣り、「むむ可々。と独言。旧のごとく被を下して、「後刻に高田が来る筈だから....