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「打身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

打身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
若しや悪い病気になりはすまいかということである。喧嘩をした跡でも、日が立ってから打身《うちみ》の痛み出すことがある。女から病気を受けたら、それどころではない。子....
風琴と魚の町」より 著者:林芙美子
ぬように隠《かく》した。 「あぶないところであった」 「よかりましょうか?」 「打身をしとらぬから、血の道さえおこらねば、このままでよろしかろ」 一度は食べて....
石狩川」より 著者:本庄陸男
たたきつけられ――彼は雪堆《せったい》のなかに埋まった。 咄嗟《とっさ》には、打身の疼《いた》みを忘れていた。懸崖《けんがい》のかげで風当りは弱かった。彼は暗....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けて一通り見て、 「冗談《じょうだん》じゃねえ、こんな癲癇があるものかい、これは打身《うちみ》だ」 「ええ……」 「高いところから落っこったんだい、それもちっと....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
だ。そこがちょうど結び目の帯留の金具を射て、弾丸は外れたらしい。小指のさきほどの打身があった。淡いふすぼりが、媼の手が榊を清水にひたして冷すうちに、ブライツッケ....
一九二五年より一九二七年一月まで」より 著者:宮本百合子
母を説いて学問――に努める。 一、バチェラーに貰わる。 一、馬から落ちたところが打身内攻し足が引つれ、苦しむ。 一、六年間床についたきり。 一、恢復して伝道、 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うな先生が、この野戦病院の中で縦横無尽に働く有様は、ほとんど別人の観があります。打身《うちみ》は打身のように、切創《きりきず》は切創のように、気絶したものは気絶....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うものなら、その容体によって、その子供たちの今後の摂生法などを教えてやるのです。打身、きり創のような時もその通りだし、心持が親切の上に、手当が上手だし、それに別....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
、万事渋の表現が適している。三吉はこの湯渋と木炭をすりつぶして、これを酢でねると打身骨折の霊薬と称して売りだした。これが意外に売れて、湯治の客も買って行くが、近....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
きで脾腹を打ったというのですから、その大きさも長さも思いやられます。打たれた跡は打身のようになって、今でも暑さ寒さには痛むということです。」 それから又いろい....
南国太平記」より 著者:直木三十五
る海の面、埋まったりや、数万艘、二引両、四目結、左巴《ひだりともえ》に、筋違い、打身に、切疵、肩の凝り、これなん、逆賊尊氏の兵船。えんや、やっこらさっと、漕いで....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
ることでもないように思っていたが、翌年の春になっても痛みが本当に去らない。それが打身のようになって、暑さ寒さに崇られては困るというので、支配頭の許可を得て、箱根....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
のだとばかり思い込んで帰った。体温は既に平生に復し食慾もついて来たが、腰や手足の打身《うちみ》はまだ直らず、梯子段《はしごだん》の上り下りにもどうかすると痛みを....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なかった。 それに今度は、お杉婆そのものもまた、いつになく元気がない、ゆうべの打身を痛がって呻いてばかりいるし、辛辣な毒舌も振わないので、武蔵は一しお不愍にな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「ま。……そう」 すうと、血が引いてゆく彼女のおもてに、左の瞼へかけての、打身の痣だけが、紫陽花いろに濃く残った。 「おや、どうしたのさ。お藤さん。気もち....