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打返し
「打返し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
打返しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
どこか違いますね」 島田は大きな二つ折を手に取って、さも感服したらしく、裏表を
打返して眺めたりした。 「失礼ながらこれでどの位します。あちらでは」 「たしか十....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んですね」 「まだ仕上げの済まない泥鮫ですからね」と、番頭はそのきたない鮫の皮を
打返して見せた。 「御承知の通り、この鮫の皮はたいてい異国の遠い島から来るんです....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
、些細の板沈子と折箸の浮子とでは、うまく安定が取れないので、時※竿を挙げては鉤を
打返している。それは座を易えたためではないのであるが、そう思っていられると思うと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「ついでがあったものだから」 女は鷹揚《おうよう》にその反物を取り上げて、柄を
打返して調べはじめますと、 「おい、番頭さん、こりゃ何だい!」 閑却《かんきゃ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。平野老人はそれを恭《うやうや》しく受けて改めて法式通り熟覧しました。平野老人は
打返して二度まで見ました。 「うむ」 これも唸《うな》るように、うむと力を入れ....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
創を出来したら貴方其の創を癒す事は出来ねえだろうが、先方で打ちやアがったから己が
打返したので、謂わばあんたの代りだ」 警「代りという事があるか、全く先方から先に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めて心配する。 「金包――金子は二百両、たしかにこれに相違なし、系図こそは……」
打返し、
打返し、斬られた奴の懐中をさぐってみたが、それらしいものはない。帯と、腰....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。たいした数ではないが、相当に伊太夫をたんのうさせるほどのものがあったと見えて、
打返しての吟味方が、相当念入りであります。
一通り瓦を調べ終ってしまってから、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
となりました。これを納めた人の心こそ、測りがたいものだと思いました。 幾度か、
打返し打返し見た後に、お松は何かハッと打たれたものがあるように、自分の胸を打つと....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
やって一思いに。」 「夫人、おくれはせんですよ。」と、顔につららを注いで言った。
打返しがまたざっと。 「※がかかる、危いぞ。」 と、空から高く呼わる声。 靄....
「多神教」より 著者:泉鏡花
。ええ、血など、ぼたれてはいぬずらか。 神職 (彼が言のままに、手、足、胴|腹を
打返して藁人形を翳し見る)血も滴りょう。…藁も肉のように裂けてある。これ、寄るま....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
。げにも由緒ありげな宝物である。忠一も霎時は飽かず眺めていたが、やがて手に取って
打返して見ると、兜の吹返しの裏には、「飛騨判官藤原朝高」と彫ってあった。 「飛騨....
「おりき」より 著者:三好十郎
く切れるんですよ。(鋏を百姓の手に渡して見せる) 百姓 (それを、大きい掌の上で
打返し打返して見ながら)へえ、まあ! かわゆらしい! こんでなあ、切れるかや?(....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、こういう顔色の男には、得て奇妙な履歴があるものです。と謂いつつ、手にせる写真を
打返して、頻りに視めていたりけり。先刻より死骸の胸に手を載せて、一心に容体を伺い....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
す、この財布の中には印形に金が三両二分と二百五六十文這入って居りますので」 と
打返し見て、 重「これでございます、あなたがこれをお拾いなさるというは誠に不思議....