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払い
「払い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
払いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
重苦しく私の心の上にのしかかって来るような心もちもした。私はそれらの不安な感じを
払い除けたい一心から、わざと気軽らしい態度を装《よそお》って、うすぼんやりしたラ....
「春」より 著者:芥川竜之介
かった。彼は何か言おうとするようにちょっと一度|咳払《せきばら》いをした。が、咳
払いは天井の硝子《ガラス》にたちまち大きい反響を生じた。彼はその反響に恐れたのか....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
でございましょう。が、突き放された相手の一人は、格別跡を追おうともせず、体の雪を
払いながら、静かにわたしの前へ歩み寄りました。
「わたしです。阿媽港甚内《あまか....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
かりました。が、沙門はその竹馬を、持っていた画像《えすがた》の旗竿で、事もなげに
払いながら、またあの気味の悪い笑《えみ》を洩らしますと、わざと柔《やさ》しい声を....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ったことはない。もっとも一月《ひとつき》五円の間代《まだい》に一食五十銭の食料の
払いはそれだけでも確かに間《ま》に合って行った。のみならず彼の洒落《しゃ》れるよ....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
落ちてしまった。
金応瑞《きんおうずい》は大いに吼《たけ》りながら、青竜刀の一
払いに行長の首を打ち落した。が、この恐しい倭将《わしょう》の首は口惜《くや》しそ....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
の中に、蹌踉《そうろう》たる歩みを運んで行く。期せずして、同じく憂鬱な心もちを、
払いのけようとしても
払いのけられなかったからであろう。自分たちは外套《がいとう》....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
はいているのは一度も見かけなかったと言っていますから。
けれども半之丞は靴屋の
払いに不自由したばかりではありません。それから一月とたたないうちに今度はせっかく....
「路上」より 著者:芥川竜之介
き》さえ見せなかった。のみならず、新田が軽く肩へ手をかけると、恐ろしい勢いでふり
払いながら、それでも指だけは間違いなく、この病室の空気にふさわしい、陰鬱な曲を弾....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
で》を五寸ばかり斬り裂きました。わたくしはまた飛びすさりながら、抜き打ちに相手を
払いました。数馬の脾腹《ひばら》を斬られたのはこの刹那《せつな》だったと思います....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
離さないと――」
若者は襟を取られたまま、斑竹《はんちく》の笛をふり上げて、横
払いに相手を打とうとした。が、素戔嗚は手もとを緩《ゆる》めるまでもなく、遊んでい....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
五日の総出仕が二三日の中に迫った時の事である。修理は突然宇左衛門をよびよせて、人
払いの上、陰気な顔をしながら、こんな事を云った。
「先達《せんだって》、佐渡殿も....
「百合」より 著者:芥川竜之介
右の方の芽にさわろうとした。すると良平は目のさめたように、慌《あわ》ててその手を
払いのけた。
「あっ、さわんなさんなよう、折れるから。」
「好《い》いじゃあ、さ....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
。悪い誤解の一つは江口を粗笨漢扱いにしている。それらの誤解はいずれも江口の為に、
払い去られなければならない。江口は快男児だとすれば、憂欝な快男児だ。粗笨漢だとす....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を取りて、研究や講演が出来なくなっても、王立協会の幹事は元通りファラデーに俸給も
払い、室も貸して置いて、出来るだけの優遇をした。 実際、王立協会はファラデーが....