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扮飾
「扮飾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
扮飾の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
のころの真面目くさい道化姿を想い出させられて、苦笑せずにはいられなかったくらい、
扮飾され歪曲された――あるいはそれが自身の真実の姿だかも知れない、どっちがどっち....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
でしまうと、お国は金盥に湯を取って、顔や手を洗い、お作の鏡台を取り出して来て、お
扮飾をしはじめた。それが済むと、余所行きに着替えて、スッと店頭へ出て来た。 「私....
「読書法」より 著者:戸坂潤
は直接関係のないエセイになったりする場合も、例が多い。又逆に大抵の多少は文献的な
扮飾を有った評論やエセイは、要するにブック・レヴューみたいなものであるとも考えら....
「鈍・根・録」より 著者:宮本百合子
鋭い憎悪の火を点じた。昨年十二月末、宮本がとらわれ、一月十七日に「犯罪公論」的に
扮飾された記事が出た次の晩であったか、言葉にすればほんの十語に満たぬ応待であった....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
態はそこで完全な分散作用を開始した。誰も彼も半自給自足の素材生産から足を洗って、
扮飾術師になり、消費者になろうとして。 先ず、新道端に店が並び、畠の中に住宅が....
「新しい一夫一婦」より 著者:宮本百合子
新らしさを追求する結果、すでに映画制作者が巧みにも把えている古いものの新らしげな
扮飾が、恋愛の技巧の上で横行する。互にまともな結婚もなかなかできない下級サラリー....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
あし》の心意気の時分に、彼女は厚化粧《あつげしょう》で、派手やかな、人目を驚かす
扮飾をしていた。山内侯に見染められたのも、水戸の武田耕雲斎《たけだこううんさい》....
「明治大正美人追憶」より 著者:長谷川時雨
にすぎない。 さて振りかえって過ぎ越しかたを見る。そこにはいつも、一色の時代の
扮飾《ふんしょく》はある。均一の品の多いのは、いつの世とてかわりはないが、さすが....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
らです。ところが、近代に到って、この本能の処理に、色んな思想や文学や都会生活やの
扮飾が加えられて、それは、一見恋愛と同じ外観を備えるようになりました。その結果、....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
した。顔の上半分が老けてるにも拘らず、下半分に現われてる溌溂とした若さは、単なる
扮飾だけで得られるものとは思えなかった。 二人はもう別に話をするでもなく、黙っ....
「文学に於ける構想力」より 著者:豊島与志雄
り、各職場からの報告記もあった。単に記事ではなく、記録文学と呼ばれるだけの文学的
扮飾が施されたものであった。茲に、文学的
扮飾というような言葉を使わねばならないの....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の中でも赤色だけは、発作中でさえも微弱に残っているのだ。勿論、巫術などでは、巧な
扮飾を施して、それを恐ろしい鬼面に捏っち上げるのだが、現在僕の手に、それを証明す....
「魔都」より 著者:久生十蘭
西巴里はゲラン会社製の「|花の夢《レエヴドフルウル》」というが如き高尚なる香水で
扮飾した優なる毬栗頭であって、自からあの突兀たる総監のそれとは全然別な品質《キャ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ある。その観見をとおして互いの人間を量りあっているところがなくもない。禅は何らの
扮飾も見ない。直指人心だ。赤裸と赤裸だ。いやその赤裸すら禅にはないのだ。しかも機....