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「扶ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

扶けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
ので、九郎右衛門は手拭を出して頬被をして、わざとよろめきながら歩く。文吉はそれを扶ける振をして附いて行く。 神田橋外|元護寺院二番原に来た時は丁度|子の刻頃で....
播州平野」より 著者:宮本百合子
の人は、どう押し返すことが出来たろう。同じ歴史の頁の上に顔を見合わせながら、互に扶けるどんな力もなくなったものとして、二人の間にはそれぎり言葉が途絶えた。 全....
中国に於ける二人のアメリカ婦人」より 著者:宮本百合子
短い生涯を子供を養うために働き切って栄養不良で死んだ母親との生活の観察。その母を扶けるために金や子供の衣類を稼ぎの中から仕送りして来る淫売婦である母の妹、性的生....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
で食料品商売から得る僅かの儲けを全部「先ず第一に、民衆の幸福」を信じている人々を扶けるために費している男なのであった。 デレンコフの家で本当の主人はアンドレイ....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
山川浦路は、文芸協会が創られた時、新しい日本の演劇のために献身しようとした草人を扶ける意味から女優の修業に立った。彼女の出身学校であった女子学習院はそのことで浦....
連環記」より 著者:幸田露伴
とわりせめて上手に説いたことであったろう。元来財力あるものは財を他に貸して貧者を扶けることが出来る、才力ある者は才を他に貸して拙者を助けることが出来、自然と然様....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
てや、小次郎が、お杉ばばの観念を、そのまま自己の観念に加えて、あわれむべき弱者を扶けるという形に似た自己の行為のもとに、自己の歪んだ感情をも、正義化して考えるよ....
三国志」より 著者:吉川英治
すぐ治安を布いて、民心を得ることを第一義とした。 法をただし貧民を救い、産業を扶ける一方、悪質な違反者には、寸毫もゆるさぬ厳罰を加えた。 ――孫郎来る! ....
三国志」より 著者:吉川英治
っそ、殺すべきだろうか」を、今なお迷っていた。 ――というのは、一族の者から、扶ける必要はないと、異論が出たからである。 「彼らの父袁紹が在世中には、つねにこ....
三国志」より 著者:吉川英治
顧雍は、 「この軍は、蜀呉同盟が生んだものであるから、当然、蜀は国を挙げて、呉を扶ける義務がある。孔明に告げて、すぐ蜀軍をして長安方面を衝かせ、一方、呉は南徐の....
三国志」より 著者:吉川英治
将軍|南鄭侯であった」 「ごもっともです。お気持はよくわかります」 「ご辺は俺を扶けるか」 「大いにお力になりましょう」 「百万の味方に勝る。では、誓書も書くな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
氏は従でしかない。 尊氏は、希望した。 「政務の主権は義詮におき、直義はそれを扶ける地位にあって欲しい」と。 直義は承認した。 尊氏は、もひとつ求めた。 ....