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「扶養〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

扶養の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
姑と嫁との間におけるごとき、深刻なる精神問題をも根本的に解決する。そこでは老人の扶養は直接若夫婦の任務ではない。また老人夫婦は若夫婦の上に何等の憂も懸念ももつ必....
食魔」より 著者:岡本かの子
呼び慣れてしまう。独占慾の強い蛍雪は、鼈四郎夫妻に住宅を与え僅に食べられるだけの扶養を与えて他家への職仕を断らせた。 鼈四郎は、蛍雪館へ足を踏み入れ妹娘のお絹....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
く心柄ではないので、父の兼松は九歳の時から身体の悪い父親の一家を背負って立って、扶養の義務を尽くさねばならない羽目になったので、そのためとうとうこれという極まっ....
道徳の観念」より 著者:戸坂潤
その権力自身が生産関係から生じることは又、見易い道理だ。家父長の権力は彼が家族を扶養し得るという経済的実力から来る。この一人前の男は社会の生産機構に与っているが....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
。職業を失ったのが失業であるか、初めから職業を持ち得ないのが失業であるか。家族に扶養されているものは失業者であるか。又職業の有無に拘らず生活が一定水準以下にある....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
住の姿に似ている。 それほどならば、最初から妻子を持たなければいいではないか。扶養の義務がある妻子を持った以上は、浮世の義理に繋がれて行くの義務があるべきはず....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
がない。まあなるたけ主人の気のやすまるよう遠のいて、身辺の平和を守るか(この際|扶養の責任あらば、それだけは物質だけでも果すべし)、さもなくば、妻は身をもって円....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
。女の人のすべてが低下したのは(祖父をわるくいってはすまないが)、こういう男に、扶養されなければならない位置に長く長くおかれたからであろう。そしてそういう善人と....
程よい人」より 著者:豊島与志雄
そうに大笑したのである。 私には金の入用があった。母への孝養のためもある。妹の扶養のためもある。それらは家庭に於ける私の当然の責務である。そのほか、三上京子と....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
町に葬式があれば必ず造花を引き受けていた。 私の父は祖母を敬い、養母として厚く扶養していた。祖父は私の産れぬ前死んでいたが、父が祖母に声を高くした事など一度も....
光は影を」より 著者:岸田国士
そは人形芝居、仮面劇 男女老若登場の道化一幕 あに、われひとりピエロたり得んや扶養の義務とはなんぞ これ善意の搾取にあらざれば 憤懣の去勢 人は人たることをや....
新らしき性格感情」より 著者:坂口安吾
る。あそこでは、学生達は学ぶことの報酬として給料を貰い、その給料で老いたる両親を扶養することも出来るらしい。こんなに我々とかけ違った方法で成人した若いロシヤの青....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
理性的存在に負担させ、二ヶ月間の損害三万円のほかに、その二ヶ月間女房がアロハ氏に扶養せられた食いブチなにがし、小額といえども返還させて、被害者たるアロハ氏の不運....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
えるユーモア短篇、小品、雑文、通信記事の類を、滑稽新聞や娯楽雑誌に書いた。一家の扶養と学資かせぎが本来の目的であったが、勿論この濫作には惰性やジャーナリズムの要....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
わって来た。尤もその頃二葉亭はマダ部屋住であって、一家の事情は二葉亭の自活または扶養を要求するほど切迫しているとは岡目には見えなかった。左に右く土蔵附きの持家に....