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「承知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

承知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
で、御執筆を願うようなわけには参りますまいか。それはもう手前も、お忙しいのは重々承知いたしております。が、そこをどうかまげて、一つ御承諾を。」 鼠小僧はここに....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
――――――――――――――――― ちょうど明治二十四年の事でございます。御承知の通り二十四年と申しますと、あの濃尾《のうび》の大地震《おおじしん》がござい....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
いた。が、近づきになって間《ま》もない私も、子爵の交際嫌いな性質は、以前からよく承知していたから、咄嗟《とっさ》の間《あいだ》、側へ行って挨拶《あいさつ》したも....
河童」より 著者:芥川竜之介
温泉|宿《やど》から穂高山《ほたかやま》へ登ろうとしました。穂高山へ登るのには御承知のとおり梓川《あずさがわ》をさかのぼるほかはありません。僕は前に穂高山はもち....
片恋」より 著者:芥川竜之介
一しょになって、お徳のやつをひやかしたんだ。 ところが、お徳こと福竜のやつが、承知しない。――福竜がよかったろう。八犬伝の竜の講釈の中に、「優楽自在なるを福竜....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
すると袈裟はしばらくして、急に顔を上げたと思うと、素直に己の目《もく》ろみに承知すると云う返事をした。が、己にはその返事の容易だったのが、意外だったばかりで....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
卜は昔|漢《かん》の京房《けいぼう》が、始めて筮《ぜい》に代えて行ったとある。御承知でもあろうが、筮と云う物は、一爻《いっこう》に三変の次第があり、一卦《いっけ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
の自信は、怪しくなったらしい。 「手前たちの思惑《おもわく》は先様《さきさま》御承知でよ。真鍮と見せて、実は金無垢を持って来たんだ。第一、百万石の殿様が、真鍮の....
古千屋」より 著者:芥川竜之介
ざいますゆえ、御検分《ごけんぶん》はいかがでございましょうか?」 しかし家康は承知しなかった。 「誰も死んだ上は変りはない。とにかくこれへ持って参るように。」....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
叩《たた》いて「もし、もし」と僕に声をかけた。僕はその雨戸の向うに池のあることを承知していた。しかし僕に声をかけたのは誰だか少しもわからなかった。 「もし、もし....
久米正雄」より 著者:芥川竜之介
たとえば中途まで送って来た妓と、「何事かひそひそ囁き交したる後」莫迦莫迦しさをも承知した上、「わざと取ってつけたように高く左様なら」と云い合いて、別れ別れに一方....
初雪」より 著者:秋田滋
欲しがった。医者はどうしても煖房を据えつける必要があると云った。良人のアンリイは承知したものの、厭な顔をしていた。 * * *....
良夜」より 著者:饗庭篁村
ば少しは面白くも候わん」と勧むるに、この事は他の業よりは望む所に近ければただちに承知して活版職人となりぬ。 浅草諏訪町の河岸にて木造の外だけを飾りに煉瓦に積み....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ルの「化学原理大要」も読んだらしい。 否、ファラデーはただに本を読んだだけでは承知できないで、マルセットの本に書いてある事が正しいかどうか、実験して見ようとい....
親ごころ」より 著者:秋田滋
らず知っていた。そうした人たちの教会へ来る時刻から十人十色の癖まで、彼はいちいち承知していた。石ただみのうえをこつこつと歩いて来る跫音を聴くだけで、もう誰が来た....