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「技倆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

技倆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
その白羽《しらは》の矢が舞い上る度に、ほかの若者たちは空を仰いで、口々に彼の技倆《ぎりょう》を褒《ほ》めそやした。が、その矢がいつも彼等のより高く揚る事を知....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
度も矛盾はしなかったらしい。 武器それ自身は恐れるに足りない。恐れるのは武人の技倆《ぎりょう》である。正義それ自身も恐れるに足りない。恐れるのは煽動家《せんど....
食魔」より 著者:岡本かの子
ぱに掻き交ぜた。それでいて蔬菜が底の方からむらなく攪乱されるさまはやはり手馴れの技倆らしかった。 アンディーヴの戻茎の群れは白磁の鉢の中に在って油の照りが行亙....
河明り」より 著者:岡本かの子
分った。 娘の姿態は姉に対する妹のようにしおらしくなっていた。老主人の茶の湯の技倆は少しけばけばしいが確であった。 作法が終ると、老主人は袴を除って、厚い綿....
雛妓」より 著者:岡本かの子
の人間が家を失うことの怯えは何かの形で生命に影響しないわけはなかった。晩年、父の技倆としては見事過ぎるほどの橋を奔走して自町のために造り、その橋によってせめて家....
大脳手術」より 著者:海野十三
笑いを引込めた。そして硬い顔になっていった。 「事実、迎春館主の和歌宮鈍千木氏の技倆は大したもんだ。和歌宮鈍千木氏は……」 「そのワカミヤ、ドンチキとかいうのは....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
ぎっしり入っているに違いない。 幸いにして金庫破りにかけてはチーア卿は非凡なる技倆を持っている。彼はこの方では英国に於ける第一人者といって差支えないほどの研究....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
、妾は剖検を終えたあとで、夫の躰を再び組み直して甦らせるつもりだった。妾の手術の技倆によればそんなことは訳のないことなのであるから。――だが妾は急に心がわりして....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
者諸君よ」 と、リット少将は身ぶりよろしく、演説をはじめた。 「諸君の秀でたる技倆と、おどろくべき忍耐とによって、この南シナ海の護神は、たいへん立派に出来た。....
流線間諜」より 著者:海野十三
潜入させたのだった。その計画の重大性からいっても、また派遣特務員の信頼するに足る技倆からいっても、この事件は目的を達するまで遂に全く秘密裡におかれるのではないか....
獄中消息」より 著者:大杉栄
どという論理法によって、数千ページの大冊の中にその矛盾背理の理論をごまかし去るの技倆を持たない。しかし彼は、いかなる難解甚深の議論といえども、きわめて平易なる文....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
得意になって本職を気取るものもあった。その中で左に右く画家として門戸を張るだけの技倆がありながら画名を売るを欲しないで、終に一回の書画会をだも開かなかったという....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
持つはただ二分間か三分間である。この二分間三分間の興味を持たしめるのが新聞記者の技倆であって、十日一水を描き五日一石を描く苦辛は新聞記事には無用の徒労である。こ....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
で、笞を嬉ぶ贖罪者の気でじっと辛抱して勉強した。そういう事情に促進されて、詩文の技倆はどしどし上達し、寺へ訪ねて来る当時有名な詩人達と百句の連句を作るのに線香二....
女の決闘」より 著者:オイレンベルクヘルベルト
摩り寄って、頸を長くして、声を立てずに見ている。 女学生が最初に打った。自分の技倆に信用を置いて相談に乗ったのだと云う風で、落ち着いてゆっくり発射した。弾丸は....