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「技巧的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

技巧的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さいアルバム」より 著者:太宰治
にも、どうも、軽薄に、ニヤリと笑っている生徒が私だ。十九歳にして、既にこのように技巧的である。まったく、いやになるね。なぜ、笑ったりなんかしているのだろう。見給....
乞食学生」より 著者:太宰治
論戦しても、私の不名誉にはなるまい。 「ゆっくり話をして、みたいんだがね。」私は技巧的な微笑を頬に浮かべて、「君は、さっきから僕を無学だの低能だのと称しているが....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
わが国には都節《みやこぶし》音階と田舎節《いなかぶし》音階との二種あるが、前者は技巧的音楽のほとんど全部を支配する律旋法として主要のものである。そうして、仮りに....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
能が過度に発達しているので、時偶そういう特性が、有機的な刺戟に遇うと、感覚の上に技巧的な抽象が作られてしまう。つまり、漠然と分離散在しているものを、一つの現実と....
花吹雪」より 著者:太宰治
甚だ薄気味わるく御座候えば、老生はこの人物に対しては露骨に軽侮の色を示さず、常に技巧的なる笑いを以て御挨拶申上げ居り候。しかるに今この怪人物、ぬっと屋台店に這入....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
n)でなければならない。真の生活は自然主義の生活にあらずして理想的、著しくいわば技巧的、人工的生活である。それが最も個性的特殊性を含める生活である。もとより本能....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
を直覚した、素朴で人間的直接性を有っている。(願望とする説は、心が稍間接となり、技巧的となる。) 「清明」を真淵に従ってアキラケクと訓んだが、これには諸訓があっ....
スポーツ・文学・政治」より 著者:坂口安吾
ゴミがある。 いつかチルデンが来たね。あのときはもう歳も歳で弱くなっていたが、技巧的には完成されたものだった。だけどチルデンももともとスピード選手だったんだ。....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
君は、驚くべき事実を発見したに違いないんだ。何故って、夫人は明かに右利で、何等の技巧的なわざとらしさもなく極めて自然に右手でナイフを使っていた。が、それにも不拘....
蝉の美と造型」より 著者:高村光太郎
が割に長くて頭の小さい事などが彫刻にいい。ミンミンは此に比べると豪華で、美麗で、技巧的で、上等に見える。翅の透明な、胸や腹の緑と黒の模様のおもしろい、彫刻に作っ....
ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
表われている様々な技巧や、様々な空想や、実感やらを味う事がすきなのだ。 かなり技巧的なものもあれば本能的に実感的なものがある。実感的な奴は、ピリッと来るつまり....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
て、そこで引いている胡弓なのだそうだ。 友よ、阿片の喫し方を教えようか? 大変技巧的なのだ。先ず針のようなもので――と云うよりも、原稿などをとじると称するもの....
古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
い字は中国には見られない、中国の字というのはそれは体裁ばかりがよいのであります。技巧的でありまして、形がよく、書にもし約束というものがありと致しますれば、その書....
世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
いうところの美と天味を知っていたかどうか。画でいえば精々|栖鳳とか、鴈治郎程度の技巧的名人肌ではなかったか。西洋人の世界一は、口ぐせの場合が多いようだ。....
噴水物語」より 著者:岡本かの子
五つの豪壮な噴水、中世の僧院の捏怪な噴水、清寂な文芸復興期の噴水、バロッコ時代の技巧的な噴水――どれもみな目に見えぬものを水によって見ようとする人間の非望を現わ....