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抑制
「抑制〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抑制の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
とるがいいさ。おれはくどい事は好《す》かんからな」
そういいながら倉地は自分を
抑制しようとするようにしいて落ち着いて、葉巻を取り上げて煙草盆《たばこぼん》を引....
「大島が出来る話」より 著者:菊池寛
外観を、呈しはせぬかと思うと、可なり不快であった。彼は出来る丈け早く自分の感情を
抑制しようと思ったが、不思議に彼の嗚咽は続いた。而《しか》も、その嗚咽は不思議に....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
いうその声は、確かに震えを帯びていた。が、そうした震えを、女性としての強い意地で
抑制して、努めて平気を装っているらしかった。 市九郎は――自分特有の動機を、す....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
ふくろう》のごとく跋扈《ばっこ》して、いっさいの生命がその新らしき希望と活動とを
抑制せらるる時である。人性本然の向上的意力が、かくのごとき休止の状態に陥ることい....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
為めに犠牲とすべきであるか。社会の最大の要求なる平安の為めに、進歩と創造の衝動を
抑制すべきであるか。私の不満は謂れのない不満であらねばならぬだろうか。 社会的....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は力強くみなぎり始めていたのである。しかもまだ教会改革に対する反動が思想の自由を
抑制するには至らなかった時代なので、クサヌスやダ・ヴィンチは自由に拘束なく意見を....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に明確な目標を指示し、混雑と重複を避けるに必要な統制を加えるのであります。自由を
抑制するための統制ではなく、自由活動を助長するためであると申すべきです。 右の....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
した報いがいかなるものか。物力を軽蔑した結果がいかなるものか。民力、民富の発展を
抑制した罰がいかなるものか。それらの教訓こそはこの戦争が日本に与えたあまりにも痛切な皮肉な贈物というべきであろう。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かすめた。しかし、こうした疑いは、ジョヴァンニの心を一旦かきみだしたものの、彼を
抑制するには不十分であった。ベアトリーチェに接近することが出来るということを知っ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の呵責は今まで以上にわたしを苦しめ始めました。わたしはいかなる方法で自分の肉体を
抑制し、浄化することが出来るかについて、まったく途方に暮れたのです。かの多くの幻....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
傾向がある。 自分の場合を例にとつていうと、作者はつとめて叙情的に流れることを
抑制しながら仕事をしている場合が多いのであるが、これに音楽を持ち込むと多くの場合....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
に、もし男の子と女の子とが、生れたとしよう。するとそこには、道徳も思想も、言語も
抑制もあり得ないはずである。 ソドムの崩壊の日、生き残った一人の父と二人の娘は....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
き時機が来ていることを知って、いささか慰むるところがないでもなかった。 空想を
抑制していたことも、確に鴎外の特徴をなしている。鴎外は空想の放肆にわたるのを太し....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
内を見廻した。その時また顫えが来そうになったので、フレンチは一しょう懸命にそれを
抑制しようとした。 広間の真中にやはり椅子のようなものが一つ置いてある。もしこ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
しかし尭孝は何といっても為家以後頓阿までを立てる伝統墨守派だから、折あれば定家を
抑制することは忘れない。『井蛙抄』に定家が慈鎮へ送った消息というものの一部を載せ....