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抑止
「抑止〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
抑止の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
わざなんだか、もっと深く喰入るべきものがあるような気がしたのを想い出して、自然と
抑止するものがあった。 「どうなしたの」 とすずろのように訊いた。女は足元に投....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
、七割ぐらいは成功。 遂にくさめが出るに及んでも、それを出さないように最後まで
抑止する。 その結果、妙な音響を発する。鼻と口とを抑えてくさめをするからである....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
時とは異なり、こう近接して眺めたところの感じは、むしろ懊悩的で、一見心のどこかに
抑止されているものでもあるかのような、ひどく陰鬱気な相貌をした中老紳士だった。そ....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
てマイナスの方向に向って拡張されて行きつつある。技術の量的質的発達はかくて、単に
抑止。研究所や工場に於ける技術家が出来るだけ整理されるのは当然であろう。かくて技....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ーを発生消滅させるのではなくて、ただその諸転換の或るものを、他の凡ての転換形態を
抑止することによって、実現すべく嚮導するだけだと云ったが、之は恰も自然の現実その....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
したのだ。だから自由主義排撃なるこの日本ファシズムの進行は、遂に可なり極端な言論
抑止と言論統制とを結果した。官製のニュース以外に出た社会的刺激になる報道は総て流....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の様子を見てみると、代官の役人共、この我儘《わがまま》貴公子の申し出でを、別段に
抑止する模様もなく、むしろ、やんちゃ若様の子守役を、兵馬が引受けてくれれば有難い....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
こうこつ》の間の露《あら》わな肌の上に押し当てられた一握りの雪は、急に皮膚排出を
抑止してしまったので、その結果数年来の病芽がにわかに激発したのだった。当時、胸部....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
合な横道、森、低谷なども、軍隊と呼ばるるその巨大の踵《くびす》を止め、その退却を
抑止することができる。戦場より出る者は敗者である。それゆえに、その責を帯びる長官....
「婦人と職業」より 著者:倉田百三
能的職業方面への婦人の進出は著しいものであるが、これらは将来理想的社会においても
抑止さるべき理由はないであろう。 しかしながら婦人の職業的進出がそのまま婦人の....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
来|擡頭し来れるファッシズムに対して、若し〈軍部〉にその人あらば、夙に英断を以て
抑止すべきであった。 国軍の本務は国防に在るか奈辺に在るか、政治は国民の総意に....
「妖怪学」より 著者:井上円了
転の後、著しき大回転を見るに至るべし。そのはなはだしきに至りては、ほかよりこれを
抑止せんと欲するも、ほとんど
抑止することあたわざるの勢いあるも、また自然の道理な....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
回転ののち著しき大回転を見るに至るべし。そのはなはだしきに至りては、外よりこれを
抑止せんと欲するも、ほとんど
抑止すべからざるの勢いあるも、また自然の道理なり。 ....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
ではないほど斯道知識をもたれなかったこと。 これらが私をして前山さんに製陶計画
抑止の勧告を余儀なくせしめたゆえんなのであった。 これだけでは、不遜魯山人、未....
「建国の事情と万世一系の思想」より 著者:津田左右吉
て重要なことがらであり、時勢の大なる変化であったが、皇室はこの時勢の推移を強いて
抑止したりそれに反抗する態度をとったりするようなことはせられなかった。時勢を時勢....