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「投与〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

投与の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
畜犬談」より 著者:太宰治
猛獣性を看破し、こころよからず思っているのである。たかだか日に一度や二度の残飯の投与にあずからんがために、友を売り、妻を離別し、おのれの身ひとつ、家の軒下に横た....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
金も自分のものとしてしまった。そうして私たち兄弟に、僅か千円ばかりの葬式の費用を投与えたきり、砂金の採掘権を支那人に売渡して、印度に行ってしまった。 私の母親....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
なぞとニコニコ独言を云いながら、二句ぐらいの簡単な和吟に胡麻節を附けたのを書いて投与える。それを畳の上に置いて待っていると、翁が机の横から這い出して来て真正面に....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
の私徳は悉皆《しっかい》天下の経済にさし響くものにあらず、見ず知らずの乞食に銭を投与し、あるいは貧人の憐れむべき者を見れば、その人の来歴をも問わずして多少の財物....
創作の心理について」より 著者:和辻哲郎
、力の横溢もなんにもなく、ただ創作しようとする欲望と熱心だけがある、内部の充溢を投与しようとするのでなく、ただ投与という行為だけに執着しているのである。従って彼....
活人形」より 著者:泉鏡花
訴えつつ、助けてよ、と歎くになむ。さらば財産も何かせむ。家邸も何かせむ、皆得三に投与えて、かかる悪魔の火宅を遁れ、片田舎にて気散じに住みたまう気は無きか、連れて....