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投射
「投射〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
投射の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
かし圧迫した。 長い間縁の切れていた活動映画が再び自分の日常生活の上におりおり
投射されるようになったのがつい近ごろのことである。飛行機から爆弾を投下する光景や....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
の飾窓のようなものから、探照燈のような強い光線が水戸の頭上を飛び越してさっと外へ
投射された。すると前方が真昼のように明るくなった。濛々《もうもう》たる軟泥はいつ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
、いよいよ実験を始めるかな。まずこの人間の右半分に、この器械から出るオメガ光線を
投射し、左半分には例の疑問線を当てることにしよう。まずこの器械によってオメガ線を....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たい乾板などという感光物質によって、標章形象化される個所は勿論のことだが、それに
投射し暗喩するような、連字符一つさえ見出されないのである。それがもし、実際に犯罪....
「疑問と空想」より 著者:寺田寅彦
て、それは、暗示の力により、自分の期待するものの心像をそれに類似した外界の対象に
投射するという作用によって説明される。枯れ柳を見て幽霊を認識する類である。もう一....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
ムに固定される。そういうぼやけたものを今度は週期的に一秒の何分の一の間隔をおいて
投射し、それを人間の目でながめるのであるから、結果はただ全部が雑然としてごみ箱を....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
空間的であるにかかわらず、観客の位置が固定しているためにその視像は実に二次元的な
投射像に過ぎない。これに反して映画のほうでは、スクリーンの上の光像はまさしく二次....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
抽出作用によって選び出し、そうして視覚から来る連想の誘引に応じてスクリーンの上に
投射したものらしい。 最近にはまた上記のものとは種類のちがった珍しい錯覚を経験....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
すなわち芝居、特にいわゆる大甘物の通俗劇を見物することである。劇中の人物に自己を
投射しあるいは主人公を自分に投入することによって、その劇中人物が実際の場合に経験....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
as a whole)統一的に表現するのである。かくて得られたる結果は内部生命の
投射であり、自己の影であり、達せられた目的は生命の自己認識である。 われらの生....
「塵埃と光」より 著者:寺田寅彦
れる。それで塵の層を通過して来た白光には、青紫色が欠乏して赤味を帯び、その代りに
投射光の進む方向と直角に近い方向には、青味がかった色の光が勝つ道理である。遠山の....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
この鮮かな宇宙の変革が分らんのか! 俺達を取巻いている七色の光彩の中から、無限に
投射する白色光の世界が浮び上って来るのだ! 日輪が俺達に語っているあの言葉が貴様....
「歌の口調」より 著者:寺田寅彦
にこういう空間曲線を作る事は厄介であるから、その代りにこの曲線をXZ面とYZ面に
投射したものと二つを画いて調べる外はないのである。 こんなような考えから、私は....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
駆られた瞬間にあってすら、その情熱の烈しさそのもののうちに紛れもなく彼の全人格を
投射するという不思議な真実性と信憑性をもっている。ところがチェーホフの場合はまる....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
に愈本時刻に入るを喜ぶは、夜行して暁天に近づくを喜ぶに同じく、得意の興趣、水上に
投射せる己が影の長きより長し。 舷に倚り手を伸べて右の示指に綸を懸け、緩く進退....