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「投首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

投首の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
煙草入に湯銭も無い。おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前に縮まって、下げ煙管の投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ずし、沸立った湯を流へあけて、溝の湯気の消....
新ハムレット」より 著者:太宰治
かりに、やたらに他人の噂を大事件のように言いふらし、困ったことさ等と言って思案|投首、なるほど聡明な御態度です。醜聞の風向を、ちょいと変える。クローヂヤスさまこ....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
。その様子を視て、さすがの文三も今は殆ど志を挫《くじ》き、とても我力にも及ばんと投首《なげくび》をした。 が、その内にふと嬉しく思い惑う事に出遇《であ》ッた。....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
芸妓屋の前へは、うっかり立てねえ。」 「なぜえ。」 「悪くすると敵に出会す。」と投首する。 「あれ、芸が身を助けると言う、……お師匠さん、あんた、芸妓ゆえの、お....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
肩で暖簾を分けながら、遊ぶぜ、なぞと酔った晩は、そりゃ威勢が可うがした。」 と投首しつつ、また吐息。じっと灯を瞻ったが、 「ところで、肝心のその燃えさしの蝋燭....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
帽は冠らず。 昨日は折目も正しかったが、露にしおれて甲斐性が無さそう、高い処で投首して、太く草臥れた状が見えた。恐らく驚破といって跳ね起きて、別荘中、上を下へ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
は、片隅のゴミのようでしかない。 どうしたら人間が住めるであろうかと皆々が思案投首というところへ、文左衛門さんがやってきて、 「山寺のようでしょう」 と云う....
魔都」より 著者:久生十蘭
ら、厳然と宣告したのである。 「諸君、あれは、偽皇帝です!」 三十三、思案投首の体の事 並に意外なる成行の事 場面一転して、ここは永田町内....
書記官」より 著者:川上眉山
がよくないではありませんか。何とか仲を直しておいでなさいな。私は困るわ。 その投首のしおらしさに、善平は一時立ち止まりて振り返りぬ。綱雄はむずかしき顔も崩さず....
三枚続」より 著者:泉鏡花
羽だと、呑込んでいるんじゃあ為方がありません、私あもう詰らねえ。」と力なさそうに投首をする。 「ああ、お互に不便なもんだ。」 「親方本当でございますね、酒の値は....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
たものと思う。灰で繩をなうということはできる事でない。どうしたらよかろうかと思案投首をしているのを見て、繩を千束ないあげてから、それをそっくり焼いて灰にして、献....