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折に触れて
「折に触れて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
折に触れての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
だしきも、わずかに顔役の調和によりて、営業上|相干《あいおか》さざるを装えども、
折に触れては紛乱を生ずることしばしばなりき。 七月八日の朝、一番発の馬車は乗り....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
とです。それを、二重鏡玉像《マルティブル・レンズ・イメージ》とかいうようで、よく
折に触れて経験することですが、眼に涙が一杯に溜ると、そのために、美しいものでも歪....
「門」より 著者:夏目漱石
水のように浅く淡いものであった。彼は今日《こんにち》まで路傍道上において、何かの
折に触れて、知らない人を相手に、これほどの挨拶《あいさつ》をどのくらい繰り返して....
「新生」より 著者:島崎藤村
ってしまえば、もう半分国へ帰ったようなものですよ――」
牧野は思出したように、
折に触れてそれを岸本に言った。船は定期の客船としてより寧《むし》ろ戦時に際しての....
「小説家たらんとする青年に与う」より 著者:菊池寛
自然と浮んで来るのだ。自分の考えでは、――その作者の人生観が、世の中の事に触れ、
折に触れて、表われ出たものが小説なのである。 すなわち、小説というものは、或る....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
随《したが》い次第に愛想《あいそ》が無くなり、鼻の頭《さき》で待遇《あしらっ》て
折に触れては気に障る事を言うか、さなくば厭《いや》におひゃらかす。それを憤《いか....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
たちはやむをえぬ制限から、そのようになってゆく。なにもかも過ぎて行く、けれどふと
折に触れて思い出すとき、たまらない気がすることがある。そのようなときに私たちが祈....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
するものだと見ていいだろう。――真理の問題はまだ之では説き尽くせないが、他の章の
折に触れて見て行こう。 第四章 意識について 以上述べた真理の観念は、主とし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
びかけた茂太郎の知識は、駒井甚三郎から出たのではあるまい。多分、例のマドロスが、
折に触れては航海話をして聞かせているうち、幾度かその名が出るものだから、海の上を....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
て私の心を浸しつくした、いろいろの感懐が再燃して来るのを、しみじみと感ずる。私の
折に触れて提供する、特異な人物の思想や行動に対して、多少の興味を持ってくれる読者....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
く通じ合うようにせねばならぬと考えていたので、在京学生の青年たちにも喜んで接し、
折に触れては家庭に招待して食事を共にするなど少しばかりの世話ぶりをしたのが、青年....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
的音曲に対する同感が深かったのであろう。 二葉亭は洋楽には一向趣味がなかった。
折に触れて洋楽に対する私の興味を語ると、「洋楽はトッピキピのピだ」と一言に蔑しつ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
多くは実業界に投じ、中には立派に成功して財界の頭株に数えられてるものもあるので、
折に触れて渠らと邂逅して渠らの辣手を振う経営ぶりを目のあたりに見る度毎に自分の経....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
そういうことはこちらから特に質問しないようにして、何か大蔵大臣と話しつつある間に
折に触れて少しずつ尋ねてみたり、疑いの起らない範囲内において研究したんですからど....
「指導者としての寺田先生」より 著者:中谷宇吉郎
れは、雑誌ばかり読まずに時々本も読むこと、そして出来たら専門以外の本も読むことを
折に触れて注意されてあってのことである。 私が理研にいた三年の間に、先生の仕事....