» 折り

「折り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
往来の角《かど》に立っているポスト。ポストはいつか透明になり、無数の手紙の折り重なった円筒の内部を現して見せる。が、見る見る前のようにただのポストに変って....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
愛読者の一人である。 「なにしろあれだけのものをお書きになるんじゃ、並大抵なお骨折りじゃございますまい。まず当今では、先生がさしずめ日本の羅貫中《らかんちゅう》....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
出した。 「君は我々が知らない間《あいだ》に、その中学時代の同窓なるものと、花を折り柳に攀《よ》じ、――」 「莫迦《ばか》をいえ。僕があの女に会ったのは、大学病....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
をやって、保養がてら約束の釣《つり》に出たいと思う日を知らせました。するとすぐに折り返して、三浦から返事が届きましたが、見るとその日は丁度|十六夜《じゅうろくや....
河童」より 著者:芥川竜之介
》った登山服や毛布なども並みたいていの重さではありません。僕はとうとう我《が》を折りましたから、岩にせかれている水の音をたよりに梓川の谷へ下《お》りることにしま....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
いた。 「じゃ一つこれをどうだ?」 譚はビスケットを折って見せた。ビスケットは折り口も同じ色だった。 「莫迦を言え。」 僕は勿論首を振った。譚は大声に笑って....
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
》して、徐《おもむろ》に機の熟するのを待っただけでも、並大抵《なみたいてい》な骨折りではない。しかも讐家《しゅうか》の放った細作《さいさく》は、絶えず彼の身辺を....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
は脚を早めるが早いか、思わずあっと大声を出した。大声を出したのも不思議ではない。折り目の正しい白ズボンに白靴《しろぐつ》をはいた彼の脚は窓からはいる風のために二....
狂女」より 著者:秋田滋
うなことはしなかった。 年老いた下婢がひとり彼女のそばに附いていて、その女が時折り飲物をのませたり、小さな冷肉の片を口のところまで持っていって食べさせてやった....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
んでいたからだ。抽斗の中が手のつけようもないほどとッ散らかっていると思うと私は時折り厭な気持になることもあった。だが私は、整頓するということを考えただけで、精神....
初雪」より 著者:秋田滋
て彼女はベンチから起ちあがると、ゆっくりゆっくり自分の家のほうへ帰って行った。時折り咳が出た。彼女はそのたびに立ち停った。余り晩くまで戸外にいたので、ほんの少し....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
所をも見た。 十二月二十九日にパリを立ち、郊外のフォンテン・ブローを過ぐる際、折りしも森林は一面に結晶した白い氷で被われて、非常な美観の実験をなし、これの起す....
寡婦」より 著者:秋田滋
に※して、首をうなだれて、淋しそうな足どりで歩いている姿を見かけました。少年は時折り立ちどまって眼をあげるのでしたが、何かこう、その年頃には相応しくないものを見....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
毛糸の靴下が一、二足、コールテンの古半ズボン一着、銹びたかみそり一|挺、あちこち折りこんだ讃美歌の本一冊、それから、こわれた調子笛が一つであった。学校の書物や道....
親ごころ」より 著者:秋田滋
頃のことだと思われたからである。 その男は、その後も、例の二人の女と一しょに時折り教会へやって来た。おぼろげながら、遠いむかし、どこかで見たことのある、親しい....