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「折衷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折衷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、広重《ひろしげ》めいた松の立木――そこには取材と手法とに共通した、一種の和洋|折衷《せっちゅう》が、明治初期の芸術に特有な、美しい調和を示していた。この調和は....
煙管」より 著者:芥川竜之介
も坊主共が欲しがるようだったら、その後に、真鍮を用いても、遅くはあるまい。と云う折衷説《せっちゅうせつ》を持出した。これには二人とも、勿論、異議のあるべき筈がな....
老妓抄」より 著者:岡本かの子
中庭に下町風の小さな池と噴水を作ってくれた。 彼女が自分の母屋《おもや》を和洋折衷風に改築して、電化装置にしたのは、彼女が職業先の料亭のそれを見て来て、負けず....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
々近づいて来る。 柴の門を入ると瀟洒《しょうしゃ》とした庭があって、寺と茶室と折衷《せっちゅう》したような家の入口にさびた聯《れん》がかかっている。聯の句は ....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
身であるだけに、いち早くこの点に目をつけた。そして互に矛盾し合う二つの看護形式を折衷して謂わば家庭的小病院と云うようなものを創立したのだった。けれども一人の患者....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
人や古人の永遠の若さと元気を構成する幻影に対する崇高な信念を失ってしまった。彼は折衷家となって宇宙の因襲を静かに信じてこんなものだと悟っている。天をもてあそぶけ....
近時政論考」より 著者:陸羯南
当時の『東京日日新聞』主筆たる福地氏をもってこの代表者とす、これを第四種すなわち折衷民権論となす、同氏の草したる民権論にいわく、 民権は人民のためにも全国のた....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
じみて来るけれど、僕は又単に事実の方へのみ傾き過る事が有ッて僕の考えと妻の考えを折衷すると丁度好い者が出来て来る」と云う是にて見れば満更細君の意見にのみ心酔した....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
事がまだまだ不十分なものであったことも争われない。紅葉山人のような作者ですら雅俗折衷の文体と言文一致の間を往来した。何と言ってもあの頃は、古くからある文章の約束....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
だ。しかし、神戸村の東の寂しく荒れはてた海浜に新しい運上所が建てられ、それが和洋折衷の建築であり、ガラス板でもって張った窓々が日をうけて反射するたびに輝きを放つ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
とであった。 船中|寂として声もない。 二本|帆柱の大船で、南洋船と和船とを折衷したような型である。 鋭い弦月が現われて、一本の帆柱へ懸かった頃、すなわち....
米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
上場されたことがあり、米国では紐育ではじめて上場されたのですが、その演出法が和洋折衷で面白くないというので不評であったそうです。今度はその当時とまったく違った俳....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
また欧州風の額面を室の四壁に懸けてある。すべての装飾がヨーロッパ風とネパール風の折衷であります。こりゃごく小事ですけれどもこの国の国是の方針がどんなものかという....
西航日録」より 著者:井上円了
鎔大地精英于一籠、藐茲丈室与天穹窿羹牆如見、夢寐相逢、諸星方寸億劫且暮、待来者之折衷。 孔子二千四百五十三年康有為 題 (東西南北のいかなる所もそれぞれ中核....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に盛んならざるやに相見え、百般のことが英国三分、米国七分くらいの程度にて、英米の折衷と鑑察を下し申し候。(下略) その後、南インド洋七千マイルを横断して南アフ....