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「折返し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

折返しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
うしなよ。此処《ここ》にそれ、はじめの一冊だけ、ちょっと表紙に竹箆《たけべら》の折返しの跡をつけた、古本の出物《でもの》がある。定価から五銭引いて、丁《ちょう》....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
河竹の室になるのですが、まず飛去来器を、対岸の杏丸氏の実験室に飛び込ませるとその折返した大きな弧線が、兼常博士の室に入ります。その時、煙硝が燃えたのですから、膜....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
で直ぐ訊かれるが、火事場の怪我で無いと聞くと誰も皆安心した顔をして、何の病気だと折返して訊くものも無かった。※鼠のような頭の□□は益々ガチ/\していたが、ガチ/....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
憶《おぼ》えていたので、早速《さっそく》「それらしきもの漂着す」と無電を打った。折返し、新しい指令が来た。警官たちは忙しくなった。旅館は一軒のこらず臨検《りんけ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
刀、肉叉、これが見事に光るので、呆れて見ていると、あがりにくくば、取分けて、で、折返して小さめの、皿に、小形小刀の、肉叉がまたきらりと光る。 「ご念の入った事で....
縁結び」より 著者:泉鏡花
た。 その中のね、女用文章の処を開けると……」と畳の上で、謙造は何にもないのを折返した。 「トそこに高髷に結った、瓜核顔で品のいい、何とも云えないほど口許の優....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
様このお部屋へ、その立花様というのがお入り遊ばしたのを見て、取って返しましたで、折返して、お支度の程を伺わせに唯今差出しました処、何か、さような者は一向お見えが....
黒百合」より 著者:泉鏡花
学士が肉は動いたのである。 五十四 しばらくするとお雪は帯の端を折返して、いつも締めている桃色の下〆を解いて、一尺ばかり曳出すと、手を掛けた衣は....
小公女」より 著者:菊池寛
の小さな部屋に行き、お互にさよならをいい合いました。セエラは父の膝に乗り、上衣の折返しの所を小さな手で握って、永いことじっと父の顔を見つめていました。父はセエラ....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
まって療養所へ救いをもとめた。すると、方子からは詳しくとのことで、返事を出すと、折返し手紙に一冊の本が添えられてきた。それは、ルイス・キャロルの有名な童話「|不....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
のだから郵便屋さんもあきれたかもしれんが、しかしその手紙は届いたとみえ、伊藤から折返しあたたかい返事がきた。そうしてその十月京都の伊藤の家へ転がりこんだのである....
良夜」より 著者:饗庭篁村
入らずも御心配あるなと、例の空想に聊か実歴したる着実らしき事を交えて書送りたり。折返して今度は伯父よりの手紙に、学資を失いて活版職工となりしよし驚き気遣うところ....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
て先生の校閲を願ったが、先生は一読して直ちに僕が当時の心状を看破せられた。返事は折返し届いて、お前の筆端には自殺を楽むような精神が仄見える。家計の困難を悲むよう....
雪柳」より 著者:泉鏡花
だが、あとさきの様子から待合に縁がありそうに思われる。 その節、取りまぎれて、折返しとは行かなかったけれども、二月とはおかず、間淵の侘住居を訪ねたが、もうどこ....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
悪く思わないで復た遊びに来てくれという、慇懃な、但し率直な親みのある手紙だった。折返して直ぐ返事を出し、それから五、六日して或る夕刻、再び花園町を訪問した。する....