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「抛る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抛るの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
踊る地平線」より 著者:谷譲次
数人の酒場男と酒場女が、この、戦時そのままの騒ぎを引き受けて、酒をつぐ・グラスを抛る・金をひったくる・お釣りを投げる・冗談を言い返す・悪口もかえす・喧嘩の相手も....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
前、そこまで来て三つの人影が三つに散った。犬の唸り、低く叱る勘次の声、続いて石を抛る音、後はまたことりともしない。八百八町の無韻《むいん》の鼾《いびき》が、耳に....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
た勘弁勘次、物を打つければ中間へ飛んで邪魔になるから、かねての心得、空拳を振って抛る真似、逆上《あが》っているから耐らない、卍の富五郎|法《ほう》を忘れて切って....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
せぬ。公民のために、ただ公財を動かすだけです」 「わからんな」 沢庵は、ぽいと抛るようにいって、 「然らば、おまえのやっている盗みの種類は、義賊というようなも....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「あっ、ばかっ。何をする」 頼春は刎ね起きた。その手から懐剣をもぎ取って遠くへ抛る。わっともがく。泣き狂う。およそ世の夫婦仲にありふれた、そして、帰結もおなじ....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
ぐ消えた。 「おっと、下剃さん。どうせ、風呂へゆくから、洗い水にゃ、及ばねえよ」抛るように、髪結銭をおくと、治郎吉は、われながら、慌てすぎると思いながら、さっと....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
け」 奥へ、駆けこんで、荒っぽく、抱き取って来た子を、両手を伸ばしていた彼へ、抛るように渡した咄嗟だった。 「雲霧ッ。――慥に、雲霧ッ」 うしろで、一喝、耳....