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「抜かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抜かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
競馬」より 著者:織田作之助
あッ、三番が追い込んで来た。あと五十米。あッ危い。並びそうだ。はげしい競り合い。抜かすな、抜かすな。逃げろ、逃げろ! ハマザクラ頑張《がんば》れ! 無我夢中に....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ひとつ、どやしておくんなせえまし!」 「かたきのありかを聞いたばかりで、今から腰抜かすやつがあるかッ。相手は三品流の達人じゃ! しっかりいたせ!――そらどうじゃ....
恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
てしまって……」 「腰を抜かしたというのか? しかし、腰を抜かしたのは、何か腰を抜かすほど驚くものを見たから抜かしたんだろうが、その見たものを聞きたいんだ」 「....
青服の男」より 著者:甲賀三郎
。あれまア、こんな所で転寝さして、風邪引くでねえかと傍さ寄ると、俺もう少しで腰さ抜かす所だったゞ。旦那さアは眠ったようにオッ死んでるだア」 「そいつは事だゝ。す....
正義と微笑」より 著者:太宰治
あるのだと、ひとり合点しているらしい。役者の試験を受けに行くのだと知ったら、腰を抜かすかもしれない。 身支度をして、それから仏壇のお父さんの写真に一礼して、最....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
て猫というものは僕は大好きなんです。だから普通では猫又《ねこまた》を見ようが腰を抜かす筈がない。だからそのときは愕《おどろ》きましたよ、実に……なぜといってその....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
まさかにどぶ鼠じゃあんめえし……」 支那服が、皮肉に黒眼鏡を笑殺した。 「糞!抜かすな」 黒眼鏡はそんな皮肉に応酬するよりも、咽喉一杯に、雑巾のように押し込....
社会時評」より 著者:戸坂潤
持っている政府が、総選挙如きものに牽制されて、民衆の現実利害などに現《うつつ》を抜かすとすれば、それはみずからその神祇的な権威を傷けるものと云わざるを得ないだろ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
たい、抱かれたい、と天井裏で鳴くように聞える。坂下の酒屋の小僧なら、そのまま腰を抜かす処を、学海先生、杖の手に気を入れて、再び大音に、 「頼む。」 「ダカレケダ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ました。どうしてお前さんなんざ学者で先生だっていうけれど、からそんな時にゃあ腰を抜かすね。へい。何だって法律で馬にゃあ乗れませんや、どうでげす。」 「はい、お茶....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、孔を穿ち、其所から内部に籠った火の手を外に出すようにと骨を折る。これは火を上へ抜かすので、その頃の唯一の消火手段であった。 で、この消し口を取るということが....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
からば乗って見せてやろうか、だちょうの快足とぼくの馬術を見て、びっくりしてこしを抜かすなよ」 サービスはこういって、だちょうの首をしずかになでた。 「おい、し....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
いて頻りに管を巻いていたが、芝居が進んで茶屋場となり、由良之助が酒や女にうつつを抜かす態たらくを見ると、酔った士はそれを義士の首領の反間苦肉の策とは知りながらも....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
フロックコートで、お従者を連れてすうと素通りで、や、SS、気の毒した、御苦労とも抜かすこつじゃねえ。何といってもブルはブルでがす。大店のBBの肩ばかり持ちやがっ....
俗臭」より 著者:織田作之助
ひどく妻を折檻した。 「おん者ら(和歌山の方言でお前という意)俺の兄弟のこと悪う抜かすことないわい」 伝三郎は兄弟想いであった。ともあれ、しかし、出入禁止は痛....