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「抜目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

抜目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
少しあとでと思っていたくらいである。そんな村口多鶴子を引っ張り出そうとは、だから抜目のない業者もさすがに憚ったのだ。それを佐古は平気でやったのだ。いまいましいほ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
十五分前であった。 How to See the battlefields――抜目のないトーマス・クックの巴里支店では、この四月からこういう計画を立てて、仏蘭....
わが町」より 著者:織田作之助
降っても、見合いの場所は地下鉄のなかやさかい、濡れんでも良え。どや、お祖父やんは抜目がないやろ?」 「…………」 他吉は高下駄をはき、歩きにくそうであった。 ....
月世界探険記」より 著者:海野十三
もりなんですよ。……いやそう慾ばっても、そんなに積ませやしませんよ。だがあの男は抜目なしですネ。はッはッはッ」 一行は先を急いだ。あと十分ばかりして、彼等はは....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
下にしのばせた小型落下傘を用いて、これも無事に着水したのだ」 太刀川は、彼等の抜目のないのに、唯あきれるばかりであった。 「よろしい。君等の宣伝はその位にして....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。 ああなんという堅い陣形であろう。海面、海底、空中の三方面に対し、いささかも抜目のない厳戒ぶりであった。さすがにこれこそ世界一の海軍国として、古き伝統を誇る....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
気で威張っていました。それと同時に、彼の持っているもう一面の狡猾さで、図々しさが抜目なく働き出してきました。彼は尾行をおどかしおどかし電車賃を立替えさせたり、食....
ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
十五分前であった。 How to see the battlefields――抜目のないトウマス・クックの巴里支店では、この四月から斯ういう計画を立てて、仏蘭....
」より 著者:岡本綺堂
違う。いくら虎の子でもニャアとは啼かない。それは友蔵らもさすがに心得ているから、抜目なく例のインチキ手段を講じた。まず舞台一面を本物の竹藪にして、虎狩の唐人ども....
」より 著者:織田作之助
は皆彼のことを大阪人だと言っている。大阪生れだという意味ではない。金銭にかけると抜目がなくちゃっかりしていると、軽蔑しているのである。辻という姓だから、あの男は....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
はついに行われざりしかども、彼が日本人に信ぜられたるその信用を利用して利を謀るに抜目なかりしは凡そこの類なり。 単に公使のみならず仏国の訳官にメルメデ・カショ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、その名は『狂歌|鐫』に残ってるそうだ。 喜兵衛は狂歌の才をも商売に利用するに抜目がなかった。毎年の浅草の年の市(暮の十七、八の両日)には暮の餅搗に使用する団....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
人でも古くから居る者はその城のある事を知らぬようです。またチベット人は銭儲けには抜目はないがそういう事にはごく不注意で、あそこに城の門みたようなものがあるという....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
荷方からは頻りに勘定の前借りを申込まれる。小笹屋は河岸でも旧い問屋であり、父親の抜目の無い財産の建て方から、四日市裏の自宅の近所に多少の土地と家作も持ち、金融力....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
暮に江戸で行われた赤穂義士の復讐は、当時に在っても世間を震憾させる大事件だった。抜目のない興行師はそれを芝居に仕組んで名古屋を振り出しに地方の町をうって廻った。....